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最終兵器俺達、通称最俺。
俺はその最俺が好きじゃなかった。
どっちかというと、嫌いだった。
最俺のメンバーはキヨ、こーすけ、ヒラ、フジの4人。学生時代から仲が良い彼らがアップしている動画を見れば、どれくらいその4人の仲が良く、彼ら同士の信頼が厚いかなんてすぐに分かってしまう程のものだ。
話して、おちゃらけて、笑って。
随分と楽しそうだった。まるで子供がはしゃぐみたいにうるさかった。
…そんな楽しそうな表情の彼らとは裏腹、俺はその中にいるキヨを見るのが大嫌いだった。
別に、キヨの事が嫌いな訳では無い。寧ろキヨくんは、好き。
……俺は、最俺の輪の中にいるキヨが、嫌いなのだ。
何で嫌いなのか?、そんなのもう、メンバーへの嫉妬に決まっている。
キヨくんの笑顔を引き出してそれを俺の目に見える形で動画にしやがって。
なんて彼らに言ってやりたいと本心は嘆くけど、そんなの無理に決まっていた。
グループで実況を撮るという事に関して俺から口出しする事などできる訳がないし、自分の勝手な独占欲でキヨに嫌われたくもない。
まず第一彼らは学生の頃からの仲だから、後に知り合った俺がそんな事を言える筈が無くて。でも心の中では毎日彼らへ低く唸っている。
そんな俺の気持ちには“自己中”という言葉がお似合いなのだろう。
__でも、嫌だ。
俺がキヨくんの一番になればいいのに
キヨくんの一番は俺がいいのに
あぁ、ムシャクシャする。
嫉妬心に駆られる。
どうしてもキヨに不満を覚えてしまう。
最近はこのように、キヨの出す動画はずっと最俺のコラボばっかりだ。
その最俺の動画の間に俺との全身ラジオが少し入るぐらい。
動画以外でも、最近はLINEの会話で俺にとっては多い方だ。
前までは二人で会って、色んな所に出掛けたりして、
いっぱい動画を撮って、
キヨくんの隣にはずっと俺がいたのに
いつの間にかキヨと俺の動画は公式とラジオしか目立たないようになっていた。
俺以外の人と楽しそうに笑わない、でよ…
ちょっと泣きたいな、とか
涙をぽろぽろ溢しながら見ていた動画を、閉じた。
流れ落ちた涙を拭き取るためにそこにあるティッシュの箱に手を伸ばした
その瞬間
ピンポーン
無機質なインターホンの音が部屋に鳴り響いた。
嫌な予感しかしない
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