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中学②
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数日後
昼休みに朔斗と弁当を食べていると…
「葵ー五十嵐が呼んでるぞー」
「ほーい」
俺は後ろのドアに向かった
「ごめんね、ご飯中に…」
「いや、全然大丈夫だよ」
「これ、来週練習試合あるからその日程とか集合時間とか書いてあるプリントね。で、こっちが来月の日程表です」
「ありがと……てか、五十嵐さんこそわざわざありがとね」
「ううん、私はマネの仕事だから」
五十嵐さんはそう言って、ボブの髪を耳にかけながら照れくさそうに言った
あ、俺長い髪の子より短い髪の子のほうが好きかも
あまり短いのは好きじゃないけど、五十嵐さんくらいの長さは好きだな
そう思いながらボーッと五十嵐さんを見ていた
「あ、じゃあ私行くね!…朔斗くんの分もあるから渡しといてくれるかな?」
「うん、わかった。じゃあねっ」
「っ、うん」
俺は自分の席に戻った
「ほい。これ日程表だって」
「ん、ありがと……五十嵐となに話してたの」
「ん?プリントの話だけだけど…」
「……ふーん…」
それから午後の授業を受け部活へ行った
今度練習試合かー……
まあ、試合には出ないと思うからいいんだけど…
そんなことを思いながらシュートの練習をしていた
あ、五十嵐さん
五十嵐さんがみんなを見ながら何かをメモっていたのを見つけた
頑張るな〜
「……ッ!?…五十嵐危ない!!!」
そう誰かが叫んだ
俺は無意識のうちに走っていた
なんでかわからないけど、走らないといけないって思った
俺は五十嵐さんのほうを正面に向いて立った
背中にすごい衝撃がきてめちゃくちゃ痛かった
「……ッ、いっ………五十嵐さん大丈夫?…怪我、ない?」
「…え……葵くん…?」
五十嵐さんは顔を守るように両手を顔の前にしていた
俺が声をかけると驚いたように俺を見ていた
「私は大丈夫だけど……葵くんどこか怪我しちゃった?!」
「いや、背中に当たっただけだから大丈夫だよ」
「ダメだよ!!…保健室行こ!」
「…え、あ……」
俺は五十嵐さんに手を引かれて保健室に行く
正直けっこう痛かったけど……女の子の前だしちょっとかっこつけたかったんだけどな…
…なんかかっこ悪い……俺…
保健室には誰もおらず、五十嵐はシップを探していた
「背中、だよね?」
「あ、うん」
「ほんと、ごめんね…」
「いや、いいよ…俺が勝手にしたことだし」
「ありがとう……上脱げる?」
「うん」
俺は着ていた服を脱ぎ、五十嵐さんは俺の背中にシップを貼ってくれた
冷たくて気持ちい
「…もう大丈夫だよ」
「ありがとっ」
服を着て、体育館に戻ろうと立ったとき、
「…ッ……五十嵐さん?」
「怪我させちゃってごめんね…庇ってくれてありがとう」
俺の服の裾を少し引っ張り、小さい声で言ってきた
振り向くと、五十嵐さんは俯いていて顔が見えなかった
「五十嵐さんに怪我がなくてよかったよ」
「……ありがとう…」
俺は五十嵐さんの頭をポンポンと撫でた
なんか、かわいい…
「…戻ろっか」
「………」
五十嵐さんはコクコクっと頷いた
俺たちは戻ったあとみんなから心配されたり冷やかされたりした
この1件以来、五十嵐さんは俺と話したり会うたびに顔赤くしたり恥ずかしそうにしていた
俺もかわいいなって思うようになった
俺はこのときくらいから五十嵐さんのことを意識し始めていた
それから数ヶ月が経ち、11月の初め
五十嵐さんと呼んでいたのが結衣ちゃんという呼び方になった
俺は結衣ちゃんのことを好きになっていた
告白もしようと思っていたけど……なかなか勇気がでずにずるずると『友達』という関係が続いていた
けど…たまたま見てしまった
結衣ちゃんが男子から告白されているところを……
その会話を聞いていて心臓がばくばく鳴ってた
もし、結衣ちゃんがちがう男と付き合ったらどうしよ
ちがう男の隣で笑ってたら……
……そんなの嫌だ………絶対に嫌だ…
そう思って、告白することを決めた
「結衣ちゃん、今日部活終わってから時間ある?」
「え、あ、うん」
ダメでも頑張る…そう決めた
シュートの練習をしてるときも時計ばかりを気にしてしまう
あと、1時間……
休憩時間のときも……
あと、30分……
早く、部活終われ……
部活が終わり、みんな帰った
俺は、体育館の玄関の前で結衣ちゃんを待つ
「……ごめんねっ、遅くなっちゃって…」
「あ、ううん…大丈夫」
落ち着け俺……言うんだ………
「……あ、の…俺………結衣ちゃんのことが…好きなんだ…」
「…え……」
「だから……俺と付き合ってください…!」
「……よ、よろしく…おねがいしますッ…」
「…え……ほんと?」
「…う、うん……」
「や、やった〜…!!」
「……ふふっ」
「…あ……ははっ」
俺たちは笑い合った
そして、付き合うことになった
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