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シオンの乗馬④
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シオンと乗馬④
馬房に帰る頃には、俺も馬もクタクタだった。
馬具を器用に片付けながら、「シオン、あとは俺がやる。汚れて気持ち悪いだろう。クラブハウスには、シャワーがある。浴びて、ゆっくりと寛ぐといい。」ハミドからの労いの言葉だった。
「うん‥と、」頷くとハミドはたてがみのリボンを取ると、くしゃくしゃと解した。素敵なウェーブが掛かっていた。「おっ、俺も、それやりたいっ!」
ハミドは疲れていないならと、「では、優しくな。リボンはその棚に置いてくれ。」と、俺に任せてくれた。リボンを取る、編み込みを解す、揺れるウェーブ。ハミドは馬の足についた泥を丁寧に取っていた。髪の毛以外、俺に出来る事はないので、今度こそクラブハウスに戻りシャワーを浴びてさっぱりすると、この近所の子供達らしき一団が「ポニーちゃんにご飯」と言って、細く切った人参を、仔馬にあげていた。指を噛まれないよう、コツがあるらしい。俺もやらせて貰ったけど、お礼というように、手をペロペロ舐められた。「もう、あげ過ぎは駄目だぞ!」と、大人に止められ子供達は散開しちゃって、大量に残った人参を、今日の相棒にあげてもいいか牧場の人に聞いた。OKが出たので、ギャロップのお礼に、馬房に人参を持って行った。馬は草を食べいたけど、わざわざ中断してくれて、俺の人参を食べてくれた。
「今日は、ありがとうな。お前の名前、エニフって言うのな」
馬房の一番上に名前が、書いてあったのに今頃気がついた。
俺がそういうと、前足を伸ばし、後ろ足を畳んで「まぁ、良かったんじゃねーの。お前もここ来る?」みたいに誘われたような気がしたので、本当はいけないんだろうけど、馬房の柵をくぐって、座ってる馬の隣に行った。俺の髪をムシャムシャ甘噛みしながら、馬はまったり休んでいる。
「なぁ、エニフ。ハミドってさ、結構スパルタだったよな。」と声を掛けると、肯定なのか俺の顔を舐めた。うえっ、と思ったけど、首に抱きついたらとても柔らかくて温かくて。「エニフ。ハミドって、優しいよな」ってまた言うと、今度はウンウン頷いて「エニフぅ、ハミドってさぁ‥」って、俺の好きなハミドのいいところを言いながらそのまま眠ってしまった。
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