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シオンのエスコート⑤
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「ハミド、右手出して。」
ハミドは訝しげに素直に出した。
俺はハンドクリームをにゅっと片手に取ると、もう一方の手で、ハミドの手の甲に塗る。
それから全体に伸ばすと一本一本、クリームを伸ばしながら指を揉んでいった。
「少し、くすぐったいが気持ちいい…」
ハミドのギラギラと周りを灼き尽くすようなオーラが和らいだ。
「今日さ、紫さんのお店でエステっていうの受けてさ、綺麗になりたいって女性の気持ちが少し分かった。雅さんにしてもらったんだけど、自分の身体を凄く労って貰ってさ。雅さん達に何かお礼がしたくて、俺が、勝手にした事だし。モデルも別にお金が欲しいわけじゃなくて、紫さんが開店資金だけでも大変そうだろう?モデル頼む為にまたお金かかるなら、俺はそれでもいいかなって思って。」
ハミドは雅さんに向き直ると静かに告げた。
「シオンとドハの名前は出さないし、本人が特定出来ないよう加工するのは可能だな?」
雅さんは驚いた顔をしたが、すぐ満面の笑顔になり「えぇえぇ!勿論です。私が正面で二人は後ろから少し正面を見るようなアングルで、なんでしたら全裸でなくても…」
「全裸はダメだ!絶対」
ハミドはキレ気味に唸るがモデルを引き受けること自体は反対しなくなったようだ。
指を絡ませ、手の平を両の親指でグッグッと押すと痛気持ちいいのか椅子の頭頂部に反対の腕を乗せそこに顎から体重をかけているようだ。
カリフさんは呆れたように俺達を眺めながら、「雅さん、こういう事情ですが、紫さんにもお伝えして、モデルの件は引き受けたとお伝えください。それと、決して他言はなさらないでくださいね。シオンの事は私のほうで一括管理はしておりますが、小うるさいのがたまにNG出すこともありますので、ご承知おきください。」
「わわっ、分かりました。」雅さんは、俺達をガン見しながら声を上擦らせていた。
紫さんと一緒に、車で送って貰うから見送りはいいと言われた。カリフさんも、ハミドの粗相をフォローしに行くと言って部屋から出て行ってしまった。
俺はもう片方の手もマッサージし終えると、手を洗ってこようと立ち上がると、ハミドにベッドに倒された。
「ちょっと、服が皺になるからやめろよ?」
「どうせあとは帰るだけだろう?しかし、そうだな、確かにベッドでいかにもしましたというのはマズイかもな。といってシオンを抱かないのもマズイ」
「別に抱かなくてもマズかないよっ!ちょっと、ハミド!ちょっと…ひぃっ」
俺を担ぎあげると、窓の方に歩いて行き、「一度は夜景を見ながらスイートでというのも、良いものだろう?」
と、意地悪そうな口元は綺麗な歯を見せ、愉悦の表情で俺を誘うハミドは、またロクでもない事を思いついたのだろう。窓際に俺をおろし壁ドンの姿勢で追い詰めた。
逃げ出すことは諦めるが、せめてボロボロにならずに帰りたい、そう懇願したけど、ハミドが満足するまで離しては貰えなかった。
後日。無事に撮影も終了して、俺とドハは紫さんのエステ開店記念のポスターになった。物憂げな唇で誘う雅さんを挟み、二人共少しだけ見返る。ドハは黒髪に褐色の藍目、俺は灰髪に白肌の黄色目。だいぶ加工され、だれこの別人28号!?な、俺達だった。
雅さんの表情がヤバいと多くの男性が。
俺達の視線と肩甲骨がヤバいと、多くの女性がポスターを求めていい宣伝になってくれたと紫さんが喜んでくれた。
終わり
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