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7 (彰)
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愛しすぎて、愛しすぎて、
どうしたらいいのかわからない。
この気持ちに、終わりが来ない。
どんなに時間が経っても、衰えることなく俺はあいつに惹かれていく。
それどころか、時間が経てば経つほど俺は彼が好きになる。
なぁ、お前が初めて『好きだ』と言ったときのことを覚えてる?
お前を抱きしめながら『愛してる』、ぶっ壊れたレコードみたいに繰り返す俺の背中に手をまわして、
「俺も、好き。」
そう呟いたあの日のことを。
その言葉を聞いたとき、俺はもう死んでもいいと思った。
思わず流した一筋の涙は、彼の肩に滲むよう吸い込まれていった。
「俺も、…」
それ以上、何も言えなかった。
愛してるよ、雪。
大きくて、少しつり上ったその目も、
すっと通る綺麗な鼻も、
拗ねたときにとがらせるその唇も、
人見知りなところも、実は涙もろいところも、
素直じゃないところも、誰よりも優しいところも、
外見から中身まで、全部愛してる。
それなのに、
どうしてお前は、
俺の隣にいないんだろう。
雪、俺の隣は、お前以外考えられない。
よく言うだろ?
「浮気は浮気。本気じゃない。」
そういう言い訳、俺には必要なかった。
「もう浮気なんてするな。」って兄貴に言われるたび、
何言ってんだコイツ、って思ってた。
俺のは浮気なんかじゃない、
だって"浮"わついてないから。俺の気持ちは。
…本気でそう、思ってた。
だってそうだろ?
俺はあいつ以外、見ていない。
あいつ以外、いらない。
"浮気"も"本気"もない。
彼以外のものは全部、俺の世界には存在しないも同然だったから。
なぁ、雪?
あれから一年、俺は生きている心地がしなかったよ。
忘れられるはずがない、
毎日毎日夢に見るんだ。
夢の中のお前は、いつだって笑っていて、
あぁそういえば、あの笑顔を見ることが段々減っていたな、なんて、
やっと気付いたりしてさ。
なぁ、雪は?
俺のこと、少しは考えてくれてた?
まだ、俺のこと好きでいてくれてる?
雪、
雪、
雪…
「会いたかった…。」
俺はそう言って、舞台上の彼を抱きしめた。
もう、絶対に離さない。
==========彰side end==
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