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え、嘘、なに…?
「…。」
それ以上待ってみても、彼の唇から言葉が発せられることはなくて、俺は一人混乱したままで。
「会長、会長、」
「ん…」
このまま一人にされたら、自分の思考がどこにいってしまうのかこわかったから、
俺は彼を起こすことにした。
ゆさゆさと彼の肩を揺り動かしたら、覚えのある香りがふっと香る。
あれ…?
これ、最近どこかで…
「ん、」
「あ、会長、風邪引きますよ…?」
「え、と…俺、」
「疲れてるみたいですけど、大丈夫ですか?」
「あ、あぁ、大丈、夫…」
まだちゃんと頭が回っていないのか、
園田彰はゆっくりと起き上がりながらあたりを見回した。
「俺、寝てた?」
「はい、いつからかは、わからないですけど…」
「悪い、」
「いえ、」
「あのさ、」
「はい、」
園田彰は言いづらそうに、視線をさまよわせながら聞いて来た。
「…俺、寝言とか言ってなかった…?」
「…は?」
「いや、何でもない、」
「ね、ごと…?」
「いやっ!本当に何でもないんだ!」
よほど俺は間抜けな顔をしていたのだろう、
園田彰は慌てて今の発言をなかったことにしようとしているが、
「…ぷっ」
「!」
「あはははは、会長、そんなにあわてなくても。」
必死すぎる彼がおかしくて、俺は思わず笑ってしまった。
「っ、わらった、」
「え?」
「いや、何でもない。」
「?今日の会長は、"何でもない"が多いですねえ」
「、いや本当に、何でもないから…」
「…言ってましたよ。」
「え、」
「寝言。」
「!」
園田彰は、目を真ん丸にしてこちらを凝視してきた。
最近、この人の驚いた顔ばかり見るなあなんてのんきに思った。
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