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19 東 虎太郎(アズマ コタロウ)
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「あ、ゆーちゃん〜やっと来たー」
「ぜえ…ぜえ…はあ…ち、遅刻してないよな?」
いや、マスクして走ると超キツイんだってば。
「ん、大丈夫ー!」
「じゃ、主役も来たみてぇだし始めるか」
総長は溜まり場の倉庫のドアをだーん!と開くと、でっかい声で叫んだ。
「おめぇら!全員集まってっか!?」
「はいっ総長!!」
うわっ、すげぇ自衛隊みたい!
なんかみんなヤンキー座りとかしてぺちゃくちゃ喋ってたけど、服の擦れるビシィって音が聞こえるぐらい全員一斉に立ち上がったよ!
どうやって躾けたんだ…あ、あれ?もしかして、それぐらい怖いとか……?ちょっとでも怠けたら「なにぼーっとしてんだゴラァ!!」ってフルボッコ……………?
……………あ!俺情報屋だしむりやり入らされたし、総長的には抜けて欲しくないからそんなことしないかな…?むしろそうだと願おう。そうであってくれ。
「うし、今日集まってもらったのは、新しくblazeに入るやつを紹介するためだ!おら、ゆい……………………MOON、来い」
あれ、今総長ゆいとって言いそうになりました?なったよね?バカなの?でっかい声でさっそくバラしそうになったの?ていうかいつから名前呼びになったわけ?
俺もういまから不安だらけなんだけど…
とりあえず呼ばれたのでしぶしぶ前に出ると、不良たちは総長の口からMOONという単語が出たことと、フードをかぶった俺が前にでて来たことで、自己紹介などはせずとも大体わかったようだ。
その証拠に、俺を驚愕の目で見る奴や、「MOON……?」と呟く奴などがいた。
「…情報屋MOONです。」
俺がそう言うと、不良たちから「うおおぉーっ!!!」と雄叫びがあがった。
!?えっ、いや普通にびっくりするんだけど。
俺が困惑しているのが分かったのか、晴人がそっと俺に耳打ちをした。
「ゆーちゃんは知らないかもだけど、情報屋MOONってだいぶ神聖化されてたりファンがいたりするよー?」
えっ!?!?そーなの!?
いや、たしかに俺が前に出たとき、なんかキラキラして目でみてくるやつがいるなとは思ったけど……。
「あーそれと虎太郎は残ってろよー」
「りょーかいッスー!」
そう言ったのは前の方にいた金髪美形高身長ヤンキーだった。
あれ?虎太郎ってなんか聞いたことある……あぁ、blazeのNo.4だ。
--No.4とは名ばかりで、No.3の龍之介さんとほぼ互角の強さ。東 虎太郎(あずま こたろう)、高校1年生の178センチ。金髪で顔は美形。
総長、晴人、龍之介さんが他の族と戦争しているとき、少数のblazeのメンバーがこの倉庫を襲われたときに対処できるよう残っているが、そのメンバーのリーダーが彼なので、裏リーダーとも呼ばれている。
「うし、今日の報告はそんだけだ!以上!」
そう総長が言った瞬間、一気に俺の周りに不良たちが集まった。
「ほんとに情報屋MOONさんなんすよね!?」
「握手して下さい!!」
「サインお願いしゃっす!!」
「やっぱ顔は見せれないんすか!?」
え、え、え!?!?ほんとにMOONってそんな人気あったの!?ていうかそこフード取ろうとするな!!
「あ、えっ、と…顔はお見せできません」
「なんでっすか!?」
「やっぱ、すごい理由があるんすか!?」
「どっかのヤクザの総長の息子とか!?」
すみません、俺がフードを取らないのは仕返しをくらいたくないというチキンな理由です。とは言えなくて。
俺が心底困っている間に、総長たち3人はさっさと別室に移動したみたいだ。
…ってうおい!!助けろや!!
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