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「MOONさん、総長たちが待ってるんで、行くッスよ!」
そう言って、虎太郎さんが俺を不良のかたまりの中から救出してくれた。
なんか今虎太郎さんが輝いてみえる……!
「あー虎太郎さんーー今いいとこだったのに〜」
「もみくちゃにされてMOONさんがかわいそうッスよ!じゃ、MOONさん行くッスよ!」
「は、はい!」
やばい!!虎太郎さんかっこいいっ!…あれっ虎太郎さん年下だった気が……。
「あの、ありがとうございます!」
「ん、全然気にしないでいいッスよ!ケガとかないッスか?」
「ないです!ほんとにありがとうございます!もう虎太郎さん天使です!かっこいいです!」
「え、え?あ、ありがとうッス!」
「あ、ゆーちゃんーやっと来たー」
あれ、お前からそのセリフを聞いたの今日2回目な気がする。
ていうか遅いとか文句垂れるなら助けろよな!!
「ていうか、残れってなんでッスか?総長」
「んー?あぁ、MOONの正体とかは俺ら上層部だけが知るって条件で入ったからな。おら唯一、フードとマスク外せ」
「えぇ…」
しぶしぶ俺はフードとマスクを外して自己紹介をする。
「田中唯一、高校2年です。よろしくお願いします。」
「よろしくッス!意外とかわいいんスね!」
「はっ!?かわ…!?いやっ、俺平凡だし…っ」
「いや、でもほらよく見ると肌とか白いし超キレイだし。」
俺は顔に熱が集まるのが自分でわかる。
「いやっ…虎太郎さんの方がかっこいい、です…」
「「「あ?」」」
えっ、何お前ら。なんでハモってんの。
「なにそれーゆーちゃん俺にかっこいいとか最近全然言ってくれないくせにー」
「俺なんか一度も言われたことねぇけど?」
「俺もです」
「え、はっ?いや、何言ってんの」
俺は言いながら3人の圧から押されるようにそろそろと虎太郎さんの後ろへ逃げ込む。
あ、虎太郎さん背高いしなんか安心。ちょっと調子に乗った俺は虎太郎さんの後ろのシャツを握りながら顔だけ出して挑発する。
「虎太郎さんの方がかっこいいもーん。助けてくれたし恩着せがましくな、い……し……………」
あ、やばい。3人のオーラがやばい。怒っちゃった?
あれ、なんかどす黒いオーラが見えるのは俺だけかな?
「うわぁ…唯一さんなに挑発してんスか〜」
「いや、だって……ここ(虎太郎さんの背中)に来たら安心するんだもん…」
「おい…唯一、てめぇあんまり俺を怒らすとひどいめに遭うぜ…?」
「うわ、総長目がまじです…別に俺をフルボッコにしてくれても構いませんよ?そんなことしたら俺blaze抜けますから」
「はん、フルボッコよりひどいぜ?お前にとっちゃな!」
そう言うと総長は手を伸ばして俺を捕まえようとしてきた。
「ひ…っ!」
俺はつい怖くて虎太郎さんのシャツをもっと握ってしまって、もっと密着する状態になった。
その瞬間、総長たち3人のオーラがもっと冷たいものになった。気がする。
「唯一さん…そんな金髪ヤンキーなんかより俺の方が全然安心できるしいいですよ?ほら…おいでなさい」
龍之介さん…全然安心できないです。目が笑ってません。1ミクロンも。むしろ怖いです。
すると、晴人がどす黒いオーラをすっと引っ込めて、今までのが全部演技で嘘だったみたいに話しかけてきた。
「あーごめんごめんー、ゆーちゃん反応面白いからちょっとからかっちゃった☆ほら、全然怒ってないからおいで、虎太郎にも自己紹介させてあげなきゃー」
言葉どおり全然怒ってなさそうで雰囲気もいつも通りで、この中でいちばん付き合いが長く信頼していたのもあり、つい俺はふらっと虎太郎さんを離れて晴人のところに行った。
「あーそうだった。虎太郎さんにも自己紹介してもらわなきゃなー」
後ろで「あーあ…」と声が聞こえたが、もう遅かった。
晴人は俺をガシっと持ち前の馬鹿力で捕まえると、黒い笑みを浮かべながら言った。
「ふふ、ゆーちゃんもう逃さないよー?」
その瞬間、俺は一気に血の気が引いた気がするが、後の祭りだった。
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