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裏の顔
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「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「翔、眠れませんか?」
「そうだね・・・・・眠れそうに無いかな」
「では眠れるまで付き合いますよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「翔は何をしに日本へ来たのですか?」
「それは・・・・・」
「復讐でしょ?」
「そうだね・・・・・・・・・・・うん」
「私は貴方がどんなに卑劣な人間だとしても、全て受け入れますよ」
「・・・・・・・・バレてたんだ」
「ええ」
「そっか・・・・・・・・」
「正直、最近の貴方を見て思いました、復讐などもう忘れてしまったのかと」
「忘れるわけないだろ・・・・・・・」
「そうですね、貴方はちゃんと復讐の為の準備をしていたのですから」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
そう
俺があの二人と仲良くなったのは友情ごっこの為ではない
全ては復讐の為だった
あの二人に恨みはない
でも、あいつと関わっている以上・・・・・敵だ
どうやって近付こうかと考えていた
でも、意外とあっさり向こうから俺に近付いてくれた
正直驚いたけどね
そしていい人のふりをした
あいつらは本当に素直な奴らだった
だから、俺は昔と同じフォームで跳んで見せたんだ
そう・・・・・俺以外の奴が真似をしたら自滅する
それをわかっていてあいつらに教えた
あいつらはさすがと言うか、すぐに俺と同じ跳び方を真似した
違うな・・・・・真似するように跳んだんだ
そう
あのフォームなら確実に高くは跳べる
でも、確実に足を痛めつける
本人が気付かないうちにね
あいつらは熱心だから、ほとんど自分達で自滅していくようなものだった
でも、それぐらいのハンデをもらってもいいだろ?
跳べれば嬉しい
だからまた跳ぶ
羽を確実にもぎ取られている事にも気付かすにね
「貴方の跳び方はとても独特でしたね」
「だね」
「みんな貴方の真似をして消えて行く・・・・それほど貴方の跳び方は人を魅了する力を持っていました」
「俺の足の筋肉は、生まれつき普通とは違い少しひねくれててさ・・・・・俺には好都合な跳び方だけど、普通の奴らが同じ跳び方をすると足首に負担が掛かりすぎるんだ」
「らしいですね」
「正直さ、大会なんてどうでもよかった・・・・・あいつさえ殺せばいいと思っていた」
「しかし、燕羽が気になった・・・と言うところでしょうか」
「まぁね・・・・・とっくにあいつの限界に気付いていたけど・・・・何とかなるかなーって・・・・・でもダメだ、あの二人には敵わない・・・・それと、あいつのおもちゃをこの手で壊したかっただけ」
「そうですか」
「俺が今まで頑張って来たのは復讐の為だけ」
「わかりました」
「でも、まだ跳びたいと思う自分が堪らなく嫌で・・・・・・悔しくて」
「私も許すつもりはありません・・・・貴方から奪った羽の代償は大きいです」
「でも、最低だよね」
「よろしいのでは?」
「そっか」
「はい」
復讐にいいも悪いもないね
巻き込まれたあの二人には悪いけど、邪魔なんだ・・・・・すごくね
ベッドから起き上がり、そのまま部屋を出た
庭に向かい、バーを飛び越えてマットの上から手を伸ばし月を掴んだ
「無い物ねだりだね」
絶対戻らない俺の足
届かない空の月
そのまま涙を流し、顔を腕で隠した
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