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約束
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朝起きて、燕羽と朝食を食べながらぼんやりテレビを見ていた
「嫌だね、朝から殺人のニュースばかり」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
どういう事?
どうしてあいつが・・・・・・
「翔?」
「何でもない」
「と言うか、この人って皆無達の監督じゃなかったっけ?気のせいかな」
「そうだな」
「しかも、陸連の理事もナゾの変死体とか・・・・・怖すぎる」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
あいつが死んだ
いや、殺された
俺は・・・・・俺の復讐は・・・・・・
確かに、陸連の理事が俺を煙たがっている事も知っていたけど。どうして?
「あっ、楓さん」
「おはよう」
「楓、話が」
「何?」
「ここでは」
「へぇ・・・・殺された奴、悪そうな顔をしているね」
「楓」
「こういう奴は、たくさん恨みをかっているんだろうね・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「俺はずっと屋敷にいたよ、それに頼まれた仕事しかしない主義」
「楓さん、仕事を再開するんですか?」
「そのうちね」
「頼まれた仕事とかさすがです!」
燕羽は勘違いしている
でも、楓じゃないのか
確かにあいつなら恨みはかっているはず
俺と同じように殺したいと思っている奴もいるはず
有無か?
まさか・・・・・・
「誰か来たよ!」
「ああ」
「俺行って来る」
こんな時間から誰だ?
そして燕羽が戻って来た
「誰だ?」
「うん・・・・・あの天才兄弟の人だと思う、有無って言ってた」
「中へ」
「わかった」
しばらくして有無がやって来た
「突然失礼します」
「ああ」
「ニュースを見ましたか?」
「今ね」
「僕には関係ありませんけど、ざまあみろです・・・貴方は悔しそうですけどね」
「・・・・・・・・・・・・用事があるんだろ?」
「はい」
「何だ」
「僕は皆無の為にハイジャンを続けます」
「そうか」
「来年のインターハイ、僕と勝負を」
「燕羽とだろ?」
「いえ、翔・・・・・・貴方と」
「えっ?」
「僕は二度と惑わされたりしない・・・・貴方の跳び方に」
「でも、俺は」
「逃げるのですか?僕達にあんな事をしておいて」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「君、有無くんだっけ・・・・翔はもうハイジャンは」
燕羽の言葉も無視か
「死ぬ気になれば跳べるでしょ?違いますか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「勘違いしないで下さい、今更皆無の事を責めたりはしません、僕は貴方と勝負がしたい」
「そんなの駄目だよ!翔の足は・・・・・・」
「ハンデを差し上げます、パスは3回までと言うのはいかがですか?」
「わかった」
「翔!だめだよ・・・・・そんな事をしたら・・・・」
「では、次に会うのはインターハイで」
「ああ」
「失礼します」
まさかあいつが俺に勝負を挑んでくるとはね
でも、ハイジャンを捨てたわけではなかったんだ
そっか・・・・・・・
「翔!どうして・・・・・どうしてあんな事を言ったんだよ!」
「あいつが望んだからだ」
「だけどっ!」
「いいじゃない、翔が決めた事なんだよ?もう何も言わないであげたら?」
「楓さんまで」
「それに、翔は嬉しそうじゃない」
「えっ?」
そっか・・・・・・
負けるかもしれないけど出来ないと言う保障は無い
歩けなくなってもいい
俺はもう一度跳びたい
「燕羽、今日から特訓だ」
「うん」
こんな気持ちは何年振りだろう
すごくワクワクする
「和海に翔のユニフォームを作ってもらわないとね」
「足を隠す為のジャージは負担になるのに」
「いいさ、それでも」
「頑張ってね、もう何も考えないで跳ぶ事だけを考えればいい」
「ああ」
「もう・・・・・・二人して」
「お前も頑張れよ、二人で行くぞ」
「うん」
こうして俺達は毎日、苦しい特訓を続けた
でも、逃げる事は出来ない
きっと、有無も同じ思いをしているはずだから
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