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放課後は、燕羽にハイジャンを教えた
やはり筋がいい
教えた事はしっかり出来ているけど・・・・まだダメだ
「どうかな?」
「40点」
「はぁ・・・・・俺、インターハイに出れないかも」
「ばーか!今から諦めてどうすんだよ」
「でも」
「お前は確実に力をつけているよ、だから悲観的になるな」
「うん・・・・・わかった」
「じゃ、帰るぞ」
「うん」
落ち込んでいる燕羽の頭を撫でていつもの道を歩いた
「翔」
「ん?」
「ごめんね」
「何が?」
「だって、放課後は俺に教えて疲れているのに夜は自分の練習をしてるんでしよ?」
「気にするな」
「だけどっ!」
「いいんだよ、俺が決めた事なんだから」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・俺、練習は見ないけど、マッサージとかするから!」
「ああ」
「ホントだよ?」
「その時は頼むよ」
「その時じゃなくて、毎日!」
「わかったわかった」
ホントにこいつには参るな
嬉しくて泣きそうだ
「ここから走るぞ」
「えっ?」
「負けたら今夜のメインは俺のモノ~」
「あっ!待ってよ!!」
走るって事を随分忘れていたな
しかも全力だしね
「はやいよぉーーー!」
「今夜は肉無しステーキだな」
「やだーーー!!」
へぇ
こいつも速くなったな
気を抜いたら追いつかれてしまいそうだ
「おっと!」
「翔!大丈夫?」
「躓いただけ、ほんの小さな段差でも躓くからな」
「びっくりしたよ」
「でも、助けてくれたから賭けはチャラだ」
「そんな事はどうでもいい!翔が怪我をしなかっただけでいいんだ」
「燕羽・・・・・」
「だから無理はしないで」
「そうだな・・・・サンキュー」
こいつ、瞬発力もかなりついたな
俺を支えるなんて驚きだ
「歩ける?」
「ああ」
その後は、歩いて帰る事にした
正直、足はすれて痛かったしね
ワセリンを塗りすぎると痛みは少なくなるけどうまく走れないし、困ったものだ
「有無は一人で練習してるのかな」
「どうかな」
「コーチとか海外から呼んでたりして」
「まぁ、あいつはあいつなりに考えているんだろ」
「そっか・・・・・そう言えば、もう一人はどうしたんだろう」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「翔?」
「そのうちな」
「・・・・・・・・・・・・わかった」
今話してもいいけど、こいつには耐えられないかも知れない
今は余計な事は考えないようにしなければいけないんだ
「・・・・・・・・・・・・・クソッ!」
どうして跳べない?
前なら跳べた高さなのに
翔の跳び方なら跳べる
でもそれじゃダメなんだ
「あの時は・・・・・皆無がいたから・・・・なんだ」
コーチを雇おうとも考えたけど止めた
自分の力で頑張りたいと思ったから
でも、やはり限度がある
専門的な本を読み漁っても無駄なんだ
どうしたらいい・・・・・僕は・・・・・・・
「悩める青年は美しいね」
木の上から練習する姿を見つめ、微笑んだ
悩んだり、くじけたり、笑ったり、喜んだり
俺には無い感情だから羨ましいよ
木の上から飛び降りて、叫ばれる前に言った
「話をしようか」
「誰?」
「簡単な話」
「だから誰?」
「俺は楓」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「今は翔の屋敷にいる」
「どうして貴方が?敵情視察ですか?」
「違うかな・・・・だって、面倒じゃない」
「じゃ、どうしてここに?」
「だから話があると言ったでしょ?」
「・・・・・・・・・・・・・・・何ですか?」
「インターハイって、よくわからないけど同じ学校でも出場出来るんでしょ?」
「成績によりますが」
「だったらさ、燕羽と練習すればいい」
「何を・・・・・」
「だって、君の敵は翔なんだから関係ないでしょ?」
「だけど」
「燕羽も苦しんでいるよ・・・・・君と同じ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「放課後翔が教えているけど、基礎ぐらい教わってもいいんじゃない?それともプライドが許さない?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「翔は屋敷で一人で練習しているよ・・・・・だから跳ぶ事はない」
「でも」
「このままでは燕羽にも負けるよ・・・・メダルを取ると約束したんじゃないの?」
「どうしてそれを」
「勘」
「きっと、翔は断らないはず・・・・・後は君次第」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「話はそれだけ、じゃ・・・・またね」
そのまま塀を飛び越えて屋敷を出た
すぐには無理だけど、このままでは負けてしまうしね
お節介だと翔に怒られそうだけど、それくらいはいいよね?
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