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噂の転校生
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今日は朝から騒がしい
一体何なんだ?
騒がしいのは燕羽だけで十分なのに
「翔っ!!」
やはり朝からうるさい奴だな
「何?」
「て、て、転校生!!」
「ああ、だから朝から騒がしいのか」
「だからっ!違うんだ!違わないけどあーーーもう!どうしよう」
「落ち着け」
こいつは相変わらず会話が成り立たない
特に興奮している時はね
「で?落ち着いた?」
「うん・・・・・ああっ!!だからね!」
「わかった、言いたい事だけ言え」
「有無だよ!」
「有無?」
「転校生は有無だったんだ!それでみんなが大騒ぎしてる」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「もしかして翔に嫌がらせをする為に?」
「あいつはそんな事はしないよ」
「でも・・・・でもでも!!」
「どこにいる?」
「さっき職員室に入った」
「そっか」
「どのクラスになるんだろう・・・・・と言うか陸上を続けるって事はまさか・・・あはは・・・翔っーーー!」
まぁ、そうなるよな
有無が陸上部に入ればこいつのインターハイの出場もやばいしね
「どうしよう・・・・グスッ」
「泣く暇なんかないだろ?」
「ううっ・・・・・もうダメかも・・・・グスッ」
その時、教室内がざわついた
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「どうして泣く前に頑張ろうとは思わないの?」
「有無・・・・まさか」
「僕はこのクラスだから」
「ひーん!!」
「要するに、俺に塩を送らせたいのか?」
「正解」
「成程ね、自分の限界に気付いたらしいな」
「限界・・・・そうかもね、でも今のままでは僕はハイジャンが嫌いになるから」
「わかった、よろしくな」
「よろしく」
「ちょっと!!何握手とかしてんの?俺はどうするのさ?何で敵に教えるのさ?おかしいよね?ね?」
「あれだな・・・・・」
「どれ?」
「スポーツマンシップってやつ」
「意味がわからないんだけど!!」
「でも、悪いけどお前にメダルは簡単には取らせないよ?」
「だからここに来た」
「賢い選択だけど・・・・・・お前の考えじゃないよな?」
「・・・・・・・そうだね」
「聞かなくてもわかるよ、黒髪の男だろ?」
「うん」
「えっ?楓さんが??何で!どうして?」
「と言うか、今日は小テストだろ?お前勉強したか?」
「うっ・・・」
「英語だぞ」
「ううっ・・・・・」
「リスニング問題、お前やばいよな?」
「だって、何言っているのかわからないもん」
「ばーか!」
「僕が教えてあげるよ」
「むっ!」
「コツをね」
「むむっ!!」
「時間が無いぞー!」
「・・・・・・・・・・・・お願いします」
「うん、じゃ席に」
「あい」
楓の奴、余計な事を
でも、有無に今必要なのは友達かも知れないな
唯一兄と言う大切な分身を失ったわけだし、今のこいつは孤独と戦いながら生きている
仕方ない
帰りにプリンでも買って帰るかな
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