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深夜の練習
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夜中に突然目が覚めてぼんやりしながら窓の外を見つめた
「えっ、今何時?」
慌てて時計を見て驚いた
翔はこんな時間まで練習をしていたんだ
しかも、今は深夜2時
跳び方を見てはいけないと約束した
でもでも、心配なんだ
部屋をそっと出て、リビングでうろうろと考えていた
どうすればいいんだろう
「俺に襲われたいのかな?」
「か、楓さん?」
「眠れないの?」
「目が冴えてしまって・・・そしたら庭に翔がいて」
「なるほどね」
「行きたいけど約束したから」
「なら、美味しいイチゴミルクでも作ってあげればいいよ」
「でも」
「もうすぐ戻るはずだから」
「そうなの?」
「さすがに少しは眠らないとね」
「そか!ありがとう!!」
「どういたしまして」
急いでキッチンへ向かい、冷蔵庫の中からイチゴを取り出しミキサーへ入れた
もちろん、ミルクも砂糖もね
「あ、あれ・・・・?」
色が変だけど味は変わらないよね
なんとなくおかしな色だけど、これは翔のだから
そして、翔が戻ってきた
「おつかれさま!」
「燕羽、お前」
「違うよ!目が覚めただけ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「見てないから!」
「ならいい」
「それよりはい!どうぞ」
「・・・・・・・・・・・なんだこのアオミドロ的な飲み物は」
「やだなー、俺が作ったイチゴミルクだよ」
「・・・・・・・・・・・そっか、じゃいただくよ」
「うん」
少し戸惑いながら、一気に飲み干してくれた
「美味しかったよ、サンキューな!じゃシャワー浴びてから寝るよ」
「うん、おやすみ」
「ああ」
やはりおいしかったんだー
ふふっ
「少し残ってるから飲んでみたら?」
「そうだね、そうする」
楓さんに言われて、残っていたイチゴミルクを一気に飲んで・・・・・
「ぐっ!まずい!!!草の味!!しょっぱっすぎ!!」
「イチゴミルクの時は、ヘタは取ったほうがいいね」
「あっ!そうなんだ」
「それから、砂糖と塩も間違えないように」
「うっ・・・・・・塩だったんだ」
「何事も失敗からの始まりだから頑張って」
「ありがとう・・・・・はぁ」
すごくまずくてしょっぱいのに、翔は飲んでくれた
美味しいと言ってくれた
もう・・・・・・そんな優しさはいらないよ
つらいだけだよ
「へぇ」
「何ですか?」
「燕羽君は翔が好きになったんだ」
「えっ、そ、そ、そんなこと」
「見ていればわかるよ」
「・・・・・・・・・・・・・・でも」
「そうだね、翔の恋人は和海」
「はい」
「だけど心変わりと言うこともある」
「無理ですよ」
「そうかな?」
「だって、俺には金も名誉もないし」
「そんなの関係ある?」
「うっ・・・・う~ん」
でも、お金がなければ生活出来ないし、俺達はまだ学生だし
「賭けようか?」
「へっ?」
「翔が燕羽を好きになったら、和海の事は俺がなんとかするし卒業まで住む所もお金も面倒見るよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「燕羽が負けたら・・・・・そうだな、俺の愛人にでも」
「ひぃ!!」
「まぁ、考えておくよ・・・・どうする?」
「どうするって・・・・・・」
絶対勝てない賭けなのにどうしてそんな事を?
「人間には可能も不可能もないんだよ・・・・努力次第って事かな」
「だけど、世の中にはどんなに努力しても」
「勿論運もある・・・・じゃ、このコインで燕羽の運を試そうか」
「・・・・・・・・・・・」
そう言って見た事のないコインを投げた
「どっち?」
「・・・・・・・・・・・・・・裏」
「さて・・・・・どっちかな?」
そう言いながら手を開き微笑んだ
「当たりだね、運はあるみたいだ」
「ホント?」
「うん」
「でもな・・・・・」
「後は自分で考えればいい、で・・・・賭けは?」
「やります!」
「オッケー、結果が楽しみ」
「ですね、じゃ俺も寝ます」
「うん、おやすみ」
「おやすみなさい」
運はあるらしい
だからもう少し頑張ってみようと思った
和海さんには悪いけど、すごく悪いけど・・・・・・・
「おや、殺し屋はやはり嘘つきですね」
「ふふっ」
「知らないコインなら裏表がわかりませんしね」
「人間はほんの少しの勇気があれば何でも出来ると信じたてみたいかなって」
「私が翔を手放すとでも?」
「逆に翔が別れたいと言ったら?今までのお金でも請求する?」
「まさか」
「和海は賢いから翔の為に別れるはず」
「どうでしょうか」
「それに、翔への気持ちが今は少し違うような気がしたし」
「そう言う鋭いところが苦手です」
「お互い様」
「では、私も休みます」
「うん、おやすみ」
一人になったリビングでぼんやりしていた
俺の人生って何だろう
血で汚れた手は綺麗にはならない
でも、それは俺が望んだ
ギターは好き
それは本当
でも、やはりソロは寂しい
だけど、もうあんな思いはしたくない
「神様・・・・聞いてるなら答えてよ・・・・・俺の人生のサイコロは血で汚れた手で振られているの?」
なーんてね
いまさら殺した奴らは生き返りはしないし俺の罪も消えることはない
「燕羽君が好きになりかけてたのに諦めるしかなさそうだね」
好きだからそうするしかない
俺はそんな人間だから
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