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「すごい・・・」
鼻血が止まったので保健室からグランドを見ると翔が跳んでいた
本当に綺麗なフォーム
そして相変わらず背中には羽が生えているみたい
「熱視線だな」
「先生っ!」
「誰を見ていたのかな~」
「見てません!」
「と言うか、ボールの痕がくっきりだな」
「あはは・・・」
「もう少し寝ていろ」
「はい」
焦った・・・
いつから居たんだろう
大人しく寝ていると、先生の声が聞こえた
誰かと話してるみたい
そして・・・
「燕羽」
「はい」
「動けるか?」
「平気です」
「安藤って知ってるか?」
安藤・・・さっきの先輩だ
「はい」
「用事があるみたいだけど、どうする?」
「用事?」
なんだろ
断り方が通じてなかったのかな
「行きます」
「そうか」
ベッドから抜け出して、廊下に出ると知らない先輩が立っていた
「あれ?」
「君が燕羽君?」
「はい」
「来て」
「・・・・・・・・はい」
誰だろう
知らない先輩だ
しかも男だし
無言のまま廊下を歩き、裏庭に向かった
「連れて来たぞ」
「サンキュー」
いた・・・
でも、他は男の先輩ばかり
「私をフルなんていい根性してるわよね」
「すみません」
「謝っても私の気が済まないのよ」
「でも」
「あんたと付き合えば翔君と仲良くなれると思ったのに」
「えっ?」
なんだ・・・そう言う事か
それなら納得できる
でも、こんな人とは付き合って欲しくない
と言うか、なんでラケットを?
「押さえて」
「ああ」
「えっ?」
ここってテニス部が一人で練習する所だ
壁際に連れて行かれて体を押さえつけられた
「あの・・・」
「私のサーブ50球で許してあげる」
「えっ?」
嘘・・・
そんな至近距離からサーブを打たれたら・・・・・
「行くわよ」
「ひっ!」
1球目は足に当たった
痛すぎる
「泣いて頼めば?」
「嫌です」
「生意気!」
「ぐっ!」
今度はわき腹
吐きそう
「次は顔よ」
「止めて下さい!」
「うるさい」
黄色いボールが手から離れた
もうだめだ
思わず目をかたく閉じた
「・・・・・・・・・・・・・・・」
痛くない
何で?
「し、翔君」
えっ?
「何してんの?」
「こ、これは・・・」
「大切な部員に怪我をさせたら殺すよ?」
「翔」
すごい、ボールを素手で掴んでる
「じゃ、交代だ」
「えっ?」
「おい、その女を押さえろ」
「・・・・・・・・・・はい」
「やめて!はなしてっ!!」
「ごめん、彼には逆らえないから」
「何言ってるの?離しなさい!」
嘘・・・
翔はラケットを握り、思い切りボールを打ちつけた
「きゃーー!」
でも、当ててはいない
ぎりぎりの所ばかり狙ってる
「先輩、次は本当に当てますよ?」
「・・・・・・・・・ひっ!」
「行くぞ」
「う、うん」
助けてくれた・・・んだよね?
「翔」
「不細工な顔だな」
「なっ!」
「帰るぞ」
「うん・・・あの」
「ん?」
「ありがとう・・・でもどうして」
「保健室に行ったらお前が見えたから」
「そか」
「モテるのも良し悪しだな」
「うん、でもあの人は翔と仲良くなりたかったみたい」
「じゃ、お前に謝らないとな」
「ううん、だって翔は助けてくれたじゃない」
「・・・・・・・・・・・・・・」
「あはっ」
「ばーか!」
そう言って笑う翔
そうだよね、愛とか求めてはいけないんだ
こうして傍にいてくれるだけで俺は幸せだと思わないとね
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