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ー極上の男ー
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ここは全国でも名高い全寮制の男子校
毎年、全国から優秀な生徒が入学してくる
倍率も毎年伸び続けている狭き門だ
これと言って問題も無い
まぁ、問題を起こすような生徒はいないのだから
ここにいる生徒は殆どがサラブレッドだ
未来を支えるリーダー的な存在
「会長」
「どうしました?」
「今、転入生が」
「ああ、特別な生徒・・・ですね」
「はい」
「通して下さい」
「わかりました」
ここでは教師よりも生徒会が力を持っている
だから先に挨拶に来るのは当たり前なのだ
そして転入生は彼が初めての事だ
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
遅い
もう30分は経っている
「君」
「はい」
「転入生は何をしているのですか?」
「それが・・・突然消えたらしく、今捜しているところです」
「消えた・・・」
「申し訳ありません」
いい根性だな
挨拶をする気がないらしい
そして1時間後
「会長、連れて来ました」
「そうですか」
眼鏡を外し、椅子に腰掛けた
すると、二人に腕を掴まれた生徒がやって来た
「乱暴だね」
「君が転入生ですね」
「と言うか、腕を離して欲しいな・・・ここは刑務所なの?」
腕を掴んでいる奴らに視線を送り腕を解放させた
「今日入寮と言う事は、何か急用でもあったのですか?」
「別に」
「別に?」
「始業式は退屈だし、ここに来たのは俺の意思じゃないしまず制服がダサい」
「面白い事言いますね・・・」
確かに制服のリボンを結んでいないし、ボタンも外したままだ
しかし、彼の美しさは極上
全て許してしまいそうなほど魅惑的だ
「リボンは?」
「あの黄色の紐かよ?ひよこ軍団の仲間入りはしたくないんだけど」
「貴方だけ特別扱いには出来ないのですよ?」
「なら退学にすれば?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「出来ないよね?だって俺、全国模試1位なんだしさ」
「確かに優秀ですね」
「ならさ・・・提案があるんだけど」
「提案?」
「あんた会長だろ?」
「そうですね」
「だったらリボンを黄色からオレンジに変更してよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
この俺に命令を?
面白い奴だ
「その見返りは何ですか?」
「見返り?クスッ・・・と言う事は変える気はあるわけだ」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「なんなら先払いでもいいよ」
「先払い?」
「あんたと二人きりなら考える」
そう言いながら微笑む顔は天使のようだ
「席を外して下さい」
「わかりました」
静まり返った部屋には、太陽の光を浴びて輝いている生徒と俺だけ
「じゃ、どうぞ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ソファーに横たわり、俺に手招きをした
「そういう事ですか」
「他になにがあるの?もしあるのなら教えてよ・・・こんな田舎の男子校での楽しみは何?」
「・・・・・・・・・・・・・生意気な人ですね」
「俺としたいんだろ?めちゃくちゃにして泣かせたい・・・そうだろ?」
「ええ、貴方をめちゃくちゃにして泣かせてあげますよ」
「会長がそんな事をしてもいいのかな?」
「どうでもいいです」
「クスッ、へぇ・・・そうなんだ」
そう言って今の会話を録音した携帯を目の前に突きつけた
「いいのかな?同性の恋愛は禁じる・・・生徒手帳にも記載されているけど」
「成程、貴方を少し甘く見ていたようですね」
「あんたもなかなかしたたかだと思うけどね」
「今回は負けを認めましょう・・・リボンは早急に変更します」
「話がわかる奴で助かったよ・・・じゃ」
「・・・・・・・・・・・・・・翔君」
「何ですか?悪の会長和海さん」
「ルームメイトにはもう会いましたか?」
「ああ、小さいやつだろ?」
「そうですか」
「繭だっけ・・・あんたの従兄弟らしいね」
「そこまで調べていたのですか?」
「まっ、暇だったしね・・・これからも暇だろうけど、あんたがいれば少しは楽しめるかもね」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「またね」
部屋を出て行く翔を見つめ、デスクから書類を取り出した
ここへ来た理由は記載されていない
親が海外へ仕事の為・・・・か
嘘くさいな
でも、他に何があるんだ?
家柄はいい
成績も優秀
スポーツでもことごとく成績を残している
あの性格でなければむしろwelcomeの生徒なのに
「会長」
「はい」
「あの・・・彼が寮に戻っていません」
「わかりました、夜まで待ちましょう」
「はい」
しかし問題ありの生徒
他の生徒に悪影響を与えなければいいのだが
書類を引き出しにしまい、鍵をかけて苦笑した
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