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「・・・・・・・・・・・・・」
静かに窓を閉め、指輪を見つめた
風は嫌いだ
必要の無い声まで運んで来る
翔は冬矢の部屋にいる
そう考えただけでイラつく
その時、部屋をノックする音が聞こえた
「どうぞ」
「失礼します!あの寮長の部屋を調べて下さい」
「おや、何故ですか?」
「声が・・・声が聞こえたので」
「声?」
「はい、あの声は翔だと思います・・・こんな夜中に・・・」
「聞き間違いでは?」
「いえ、間違いないです!だって証拠を」
「・・・・・・・・・・・・」
証拠ね
声だけ携帯で録音したのか
「聞こえるでしょ?」
「確かに」
しかし面倒な事はごめんだ
「会長?」
「困りましたね」
「明日直接翔と寮長に」
「それも困りますね」
「えっ?」
「と言う事で、君には消えてもらいましょう」
「ど、どういう・・・」
「口は災いの元と言うでしょ?」
「会長・・・・ぐっ!」
指輪を剣に変えて胸を突き刺した
痛みを感じないように殺したのはせめてもの情けだ
床に落ちた携帯を踏み潰し、死体を鉛で囲みオブジェに姿を変えて中庭に移動させた
「死体を見ながらみなさん登校するのでしょうね」
今ばれてはつまらない
ゲームは面白くなくては
「翔」
「んっ・・・」
冬矢の声がする
「そろそろ起きろ」
「ああっ!ごめん」
「気持ちよさそうに眠っていたから起こそうか悩んだよ」
「あはは・・・」
「おはよう」
キスをして微笑む冬矢
「おはよう」
それに応える俺
「部屋に戻らないとな」
「そうだった、じゃまたね」
「ああ」
ドアを開け、誰もいないのを確認して部屋に戻った
「よし!」
「じゃないでしょ!」
「繭・・・起きてたんだ」
「何も聞かないから早く着替えて」
「わかった」
急いでシャワーを浴び、制服に着替えた
「お待たせ」
「うん」
二人で食堂に向かい、朝食を食べながらたわいの無い話をした
また食堂が騒がしい
理由はわかってるけどね
「来たね」
「だね」
そして
「おはよう」
「おはよう冬矢」
「おはよ」
何だか恥ずかしい
さっき別れたばかりなのに
「じゃ、僕は先に行くから」
「えっ?」
「委員会」
「そっか、わかった」
気を利かせてくれたのかな?
食堂を出て行く繭を見つめ、二人で微笑んだ
「じゃ、俺達も行くか?」
「うん」
二人で中庭を歩き、ふと足を止めた
「どうした?」
「うん、あのオブジェって昨日あったかな?」
「そう言えば無かったと思うぞ」
「だよね・・・・人間そっくり」
「そっくりすぎて怖いな」
「だね」
「行くぞ」
「うん」
また歩き出そうとした時
「おはようございます」
「おはよう」
「相変わらずの取り巻きだな」
「冬矢に比べたら・・・」
「俺に取り巻きはいないと思うけどね」
「そうですね、翔がいればどんな取り巻きもぼやけてしまいますし」
「ところであのオブジェだけど」
「よく出来ているでしょ?」
「と言うか悪趣味じゃないか?」
「そうですか?苦痛に満ちた表情がいいとは思いませんか?」
「わからないね・・・俺は好きではない」
「翔は?」
「俺も嫌かな・・・なんだか動き出しそうで怖い」
「ええ・・・そうなのです・・・このオブジェは夜な夜な歩き出すと言う噂が」
「えっ!」
「と言うのは冗談ですが」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「翔が怖がるだろ」
「そうですね、申し訳ありません」
「もういいよ、行こう」
「ああ」
でも、本当にリアルなオブジェだった
どこかで見た事があるような気もしたけど気のせいだよね
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