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相変わらず冬矢派の嫌がらせは続いていた
男って執念深いな
「翔、僕先に戻るね」
「繭?」
「少し具合が悪いから」
「大丈夫か?」
「平気」
「すぐ戻るから」
「ゆっくり食べてて」
「わかった」
そう言えば顔色が悪かったしな
風邪かな
止めていた箸を動かそうとした時、何かが落ちて来た
「一人は寂しいだろ?お友達だ」
「俺になめくじの友達はいないけど」
「食べろよ!」
「冗談」
しかし、よく掴めるよな
そっちの方が驚きだ
「押さえつけろ!」
「ふざけんな!」
「口を開けろ」
こいつらバカなのか?
でも一人でこいつらには勝てない
出来るだけ大人しくしていなければいけないのに
「早くしろよ!口を無理矢理こじあけろ」
「わかった」
やれやれ・・・こいつの言いなりかよ
情けない奴
「こいつの体はどうだった?」
「なっ!」
「でもこの体と引きかえになめくじを掴むのはどうかと思うけどね」
「黙れ!」
「いっ!」
殴られれば俺でも痛い
でも馬鹿力のせいで動けない
「何も出来ないね、悔しい?」
「は?」
「冬矢さんをそそのかして飽きたから捨てたんでしょ?だから冬矢さんは消えたんだ」
「意味が分からない」
「うるさい!」
「・・・っ!」
お坊ちゃまでも人を殴れるんだな
驚きだ
「早く食べろよ!」
やばいな、本当に食べさせられてしまうかも
「ほら、食べろよ」
気持ち悪い
でも動けない
その時、ざわめきが聞こえた
「何をしているのですか?」
「会長、いえ何も」
「翔?」
「いちいちうるさいんだよ」
「貴方達は部屋で謹慎を、理由はわかりますね」
「はい」
「翔、話がありますので部屋へ」
「・・・・・・・」
「命令です」
「わかった」
仕方なく和海と部屋に向かった
「どうぞ」
「・・・・・・・・」
初めて入る部屋だった
近付こうともしない部屋だった
「座って」
「何?」
「怪我を」
「それだけで?」
「それだけでです」
「こんなの大した事ない」
「すみません、気付くのが遅くなって」
「謝る必要はないよ」
「傍にいると約束しました」
「俺はしていない」
「綺麗な顔が台無しですね」
「いたっ!」
「消毒です」
消毒ってこんなにしみたっけ?
もしかしてわざと?
「もう少し優しくしてよ」
「ではこれで」
「・・・・・・・」
消毒の方がよかった
まさか舐められるとは思わなかった
今夜も月が綺麗だな
どうしてこいつには月がよく似合うんだろう
「そんな目で見つめないで下さいね」
本当は優しい奴なのかも知れない
俺は最初に和海に会った時から惹かれていたのかも知れない
でも冬矢が現れて俺の心は和海から逸れてしまっただけなのかも知れない
殺さなければいけないとわかっていたから和海から遠ざかっただけかも知れない
「翔?」
「ありがとう、部屋に戻るよ」
「はい」
俺はどうかしてしまったのかも知れない
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