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ー太陽の国と月の国ー
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バスに揺られて数時間
山を一つ越えるだけで吐きそう
「何で俺達が行くんだよ!」
「仕方が無い出ろ?くじで負けたんだから」
「ホント、冬矢はくじ運がないよな!」
「選んだのはお前だ」
「むっ」
そうなのだ
学園見学とか意味の無い行事でくじに負けたのは俺達
だから山を越えて行く羽目になった
「そもそもさ~、トンネルを作ればこんなに時間もかからないと思うんだけど」
「だな」
「トンネル」
「何年かかるんだろうな」
「現実的な事を言うなって」
「もう諦めろ、ちゃんと会長らしくしろよ」
「会長にしたのは誰だよ!お前だろ」
「副会長の方が何かとやりやすい」
「これだよ」
「毎回同じ事を言ってよく飽きないね」
「楓、毎回言いたくなるんだよ」
「わかったから」
「うっ、後ろ向いてたら吐きそう」
「大丈夫?」
「背中をさする前にプリンを置いてくれ」
「食べる?」
「吐く!」
「美味しいのに」
「もう寝る」
ったく、道は悪いしカーブは多いし眠れない
「あ~、行きたくない」
「お前達仲が悪いしな」
「あの会長はさ、なんか人を見下してるような気がするし」
「仕方ないだろ?御曹司なんだし」
「はいはい」
俺達の高校も今から行く高校も同じ全寮制
偏差値も同じ、学生の家柄も同じ
何で張り合っても勝負がつかないのもむかつく
「翔、そろそろ着くぞ」
「あ~、田舎だな」
「変わらないだろ?」
「まぁね」
しかし正門から金がかかってる建物だな
「冬矢、車を一番近くに止めて」
「駐車場は無視か?」
「当たり前!歩くのは嫌だし」
「仕方ないな」
車を校舎の近くに止めて漸く降りる事が出来た
「疲れたな~」
背伸びをしていると後ろから声が聞こえた
「ここは駐車禁止ですけど」
「そうなの?知らなかったな~」
「これだから山猿は」
「じゅごんに言われたくないんだけど」
「みなさん、お疲れ様です」
無視かよ
ムカつくやつだな
「生徒会室にお茶の用意が出来ています」
「翔、行くぞ」
「わかったよ」
「よくいらっしゃいました」
「副会長同士が双子なのにどうして学園は違うんだろうね」
「どうしてでしょうね」
「どうしてだろうな」
相変わらず意味不な奴達だ
顔はいいのに性格が掴めない
「待ってたよ、よろしくな!」
「凱、あとでピアノ弾いてよ」
「オッケーだ」
凱は好きだ
ピアノが上手いし話しやすい
「俺にはギター弾いてって言わないのに」
「何拗ねてるんだよ」
「だって」
「お前は学校にいてもいつもどこかに行くだろ」
「確かに」
「早く来てくれませんか?」
「うるさいな、今行く」
仕方なく歩き出し生徒会室に向かった
この学園の生徒会室は別棟に建っている
そして豪華すぎる所が似ていて気に入らない
でもここから見える景色は好きだ
山の下には一面の海
綺麗なブルーは空と繋がっていた
「山には無い景色でしょ?」
「海は見えないけどここでは見られないような桜がある」
そして生徒会室で自己紹介をした
これも毎回恒例だから仕方が無い
「ではどうぞ」
「俺達からかよ」
「何でも一番が好きだと思いましたが」
「うるさいよ?」
「では僕達から」
「どうぞ!」
「僕は月の光学園会長、彩流寺・・・」
「もう名前だけでよくない?面倒だし」
「会長の繭です」
「副会長の和海です」
「書記の凱だ」
「他にもいますが今日はこのメンバーで」
「俺は朝陽ヶ丘学園会長の翔」
「副会長の冬矢だ」
「多分書記の楓」
「多分って何だよ!仕事しろ」
「俺は翔の傍に居たいから生徒会にいるだけ」
「はいはい」
「内輪でいちゃつくのは後にして下さい」
「いちゃついてないし!」
お茶を飲みながらお菓子を食べた
相変わらずお茶だけは美味しいな
「では今回は学園見学と言う事でよろしいですね」
「そう言う事」
「今日はお疲れのようですし部屋を用意してありますので」
「冬矢、行こう」
「では俺達はこれで」
「私がご案内します」
「では僕もこれで」
こうして一日目が終わった
と言ってもまだ3時だけどね
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