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「翔!ファックスの音がうるさい」
「仕方ないだろ!制服で揉めてるんだよ!」
「制服?」
「向こうから送られて来た制服を見てみろよ」
そう言って数枚の用紙を渡した
「これはさすがに」
「だろ?」
「なかなか決まらなくて頭が痛い」
「ところで話は変わるが」
「ん?」
「向こうの学園は相当甘やかされていたらしいがどうするんだ?」
「もちろん甘やかさない」
「繭が納得するかな」
「ん~」
「ここはさ、制服は譲って校則は譲らないとか」
「マジか!楓着れるのか?これだぞ」
「えっと・・・」
「でも提案としては悪くないな」
「う~ん・・・」
そしてまたファックスが送られて来た
「まだまともかな」
「一番まともだが・・・」
「せめてネクタイにして欲しいよね」
「だよな~」
と言うか、普通の色の選択は出来ないのか?
今度は紫だし
「暗い紫だしそれに決めろ」
「はぁ・・・着たくない」
「じゃ、白のひらひら?」
「絶対嫌だ!」
仕方ない
俺の出した制服は全て却下されてるしそろそろ決めないとな
「電話して来る」
「わかった」
仕方なく繭に電話をして楓の出した条件を言った
最初は渋っていたけど何とか話はついた
「どうだった?」
「怪我するだの手が汚れるだの言い出したからそう言う生徒はお断りだと言ったら承諾した」
「成程」
こうして大掛かりな引っ越しが始まった
そりゃそうだよね
学園の生徒ごと引っ越すんだし
「来たみたい」
「だな」
正門で迎えると繭が降りて来た
「よっ!」
「気持ち悪い」
「おいおい」
一言目がそれかよ
後は冬矢と和海に任せて繭を生徒会室に連れて行って寝かせた
と言う事はあれか?
俺は会長をやらなくてもいいって事か?
ラッキーだ!
「申し訳ありませんでした」
「もういいのか?」
「はい、早速ですが」
「ん?」
「会長は」
「お前でいいじゃん」
「えっ・・・」
「俺は会長には向いていないし、副会長は双子にやらせたら?」
「でも、ここの生徒が納得しません」
「あ~、う~ん」
「翔がやるべきなのでは?」
「そうしたら今度はそっちの生徒が納得しないだろ」
「確かに」
「俺は部活に力を入れると言う事で繭がやれ」
「押し付けましたね」
「バレた?」
「わかりました、でも会長は会長のままですので」
「マジか・・・」
仕方ないな
繭だけに任せるのも可哀想だし
「ところでさ」
「何ですか」
「お前、その色の方がいいぞ、海軍より」
「・・・・・・・・」
「もう言い返せないな、お前も山猿だし」
「うるさいです」
「まぁ、もう少し休め」
「・・・・・・・」
冬矢達は大丈夫かな
あの二人なら何とかなるだろうけど
「みなさんの荷物は部屋に置かれていますので部屋番号を確認して向かって下さい」
「あの、掃除は?」
「自分達でやるんだよ」
「今までは」
「今まではなんだ?これは会長同士で決めた事だ、気に入らないのなら別の高校へ行け」
「・・・・・・・」
「ルームメイトはこの学園の生徒ですのでいろいろと教えてもらうように」
「マジですか?」
「その方が早く馴染めるだろ?」
「はぁ・・・」
何とかみんな部屋に向かった
しかし疲れた
「和海、嬉しそうだな」
「勿論です」
「ムカつく奴だ」
「これからよろしくお願いしますね」
「どうせ俺達に副会長を押し付けるんだろうな」
「そうですね」
「行くぞ」
「はい」
生徒会室に向かうと翔がいた
「お疲れ!」
「繭は?」
「寝てるね」
「そうですか」
「お茶でも入れようか」
「私が」
「うん」
「場所わかるか?」
「はい」
これからはずっと一緒にいられる
それだけで十分だ
「お待たせしました」
「ありがとう」
「しかしお前の所の生徒は我儘だな」
「そうみたいですね」
「まぁ、ここで生活すれば多少は人間らしくなるだろ」
「そう願います」
「翔、どうした?」
「双子なんだな~って」
「突然何だ」
「同じ顔だし」
「じゃどうして和海を選んだんだ?同じ顔なら俺でもいいはずだ」
「どうして・・・桜が綺麗だったから」
「は?」
「そう言う事にしておいてよ」
「そうですね」
「待て!少し待って居ろ」
冬矢が消えた
どうしたんだろう
そして何かを持って戻って来た
「和海、かぶれ」
「えっ」
「いいから」
「わかりました」
へぇ・・・
ウイッグをかぶると全く同じだ
驚いたな、見分けがつかないし
「翔」
「ん?」
「後ろを向け」
「うん」
何だ?
「そのまま振り返って和海を当てろ、俺達は喋らないから」
「何だよそれ」
「もういいぞ」
う~ん
最近のウイッグはすごいな
全く同じだしね
「悪いけど、すぐにわかるよ」
そう言って冬矢の肩に手を置いて言った
「和海は向こう」
「クソッ!一瞬喜んだのに」
「ごめんね~」
「私も焦りました」
手を見てすぐにわかった
俺だけが知っている手だしね
「あ~~、面倒臭い!」
「楓?」
珍しいな
楓がキレてるし
「どうしたの?」
「どうして全部の生徒の名簿を新しく作らなければいけないの?」
「書記だし」
「しかも手書きとか」
「凱もいるだろ?」
「凱はとっくに終わった」
「楓は?」
「今終わった」
「お疲れ」
「大体苗字が面倒臭すぎ!なんで三文字なの?しかも難しい漢字が多いし」
「だろうな」
「もう二度とやりたくない」
「そう言うと思ってた」
「うん」
「あと、寮の部屋の名前もな」
「は??」
「凱、手伝ってやってくれ」
「わかった、やるぞ」
「もうっ!」
たまには仕事しないとね
サボり魔だし
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