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もう一人
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「感情の無い彼も友達思いだったみたいだね」
「きっと楓は特別なのでしょう」
「だね・・・・楓は特別」
床に倒れている楓を見つめ、微笑んだ
「これで目障りな人間が一人消えましたね」
「だね・・・・あと一人はどうしようかなー」
「もう決めているのでしょ?」
「さぁね」
「残酷な人ですね・・・・・」
「そうかな?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
楓の口にグラスの血を垂らし、空になったグラスを握りしめた
粉々に砕けたグラスを小さなカプセルに詰め微笑んだ
透明なカプセルの中に入ったグラスの欠片がキラキラして綺麗
傷は一瞬でふさがった
小さな傷なら数秒でふさがる
「・・・・・・・・・・・・・・・んっ」
「おはよう、楓」
「俺は・・・・・」
「楓が望んだんだろ?一緒にいたいと」
「えっ・・・?」
「違うの?」
「俺は・・・・・死んでいたの?」
「そうだね」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「後悔してる?」
「嬉しいよ・・・・でも」
「病気とかもう楓にとって関係の無いもの・・・・お前はこれから俺達と永遠にここで生き続ける・・・・それが幸せか不幸かは分からないけど」
「永遠に・・・・・?」
「そう・・・・永遠に」
「・・・・・・・・・・・・・・どうしよう・・・すごく嬉しい」
「そう」
「でも、どうやって俺を?」
「その前にお前は何をしにここへ来た?」
「そんな目的はもう忘れた」
「本当かなー?」
「信じて欲しい・・・全て話すから」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「翔、話を聞いて差し上げたら?」
「そうだね、話せ」
「うん」
楓は全てを話した
まぁ・・・知っていたから別に驚きはしないけど
「裏切り者だね」
「いいんだ・・・・俺はここに居られるだけで幸せ」
「じゃ、楓を信じるよ・・・・・だから俺のお願いも聞いて欲しいな」
「お願い?」
「簡単な事だよ」
「わかった」
楓の手の平に小さなカプセルを渡しながら微笑んだ
「これは?」
「これはお金を生む薬」
「じゃ、これが」
「そう、楓の欲しがっていた薬」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「その薬は俺にしか作れない物」
「でも、もうこれは」
「そしてここからが俺のお願い」
「うん」
俺は楓にそっと耳打ちをした
その話を聞いた楓は小さく頷いた
どうやら人間の大切な心の部分を失ったらしい
わかっていたけど、それでいい
「そうそう、一応教えておくけど」
「うん」
「今のお前はもう普通の人間ではないから」
「うん」
「人間なら感じられる事が感じられない事もある」
「例えば?」
「それはすぐにわかるさ」
「うん」
「じゃ、着替えて戻れ」
「わかった」
服を着替え終わり、俺を見つめる楓に言った
「お願いはちゃんと聞いてね」
「勿論」
そう言いながら微笑む楓にキスをして部屋から出て行く後ろ姿を和海と見つめた
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