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氷龍が戻って来た
楓は、何事も無かったかのように仕事へ向かった
俺が思っていた以上に冷たい奴だったらしい
「そろそろ仕事に行くぞ、燕羽」
何も知らない氷龍はいつものように燕羽に話しかけていた
「おい、どうした?体調でも悪いのか?」
体調ね・・・・・
確かにそうかもね
「返事ぐらいしろ、燕羽・・・・・・えっ?」
毛布をめくり上げた瞬間の氷龍の顔が氷のように固まった
やはりこいつは優しすぎるね
だから仲間にはしなかった
優しい心がいつか邪魔になりそうだったから
「燕羽・・・・・おい、燕羽!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・誰が・・・・誰・・・・・・・翔なのか」
「どうして燕羽をっ!!」
へぇ
久しぶりに感情を出した氷龍を見た
俺に掴みかかる一歩手前で和海に押さえつけられた
悔しいよね・・・・・残念
「お願いだ・・・・・燕羽を生き返らせてくれ!」
「何の話?」
「ふざけるなっ!何でもする、金も好きなだけ・・・・だからお願いだ・・・」
「嫌だね」
「翔!!何故だ?」
「だってさー、お前は俺がやったと決め付けたじゃない」
「他に誰が・・・・・」
「誰かな」
「まさか・・・・そんな事は」
「絶対とは言い切れないでしょ?」
「しかし、朝は一緒にいたじゃないか・・・喧嘩をしても殺したりはしない」
「知らないな」
「貴様・・・・・」
「諦めたら?それに俺に頼んだ所で生き返りはしないだろ・・・俺にその気はないんだからさ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ここで生きていくのなら、一人の方がお前にとって楽な方法なのに馬鹿だね」
「・・・・・・・・・このままにしてはおけない・・・・燕羽を連れて行く」
「どうぞ」
ベッドの上の燕羽を抱き上げて、出て行った
確かにずっと置かれても困る
「朝から騒がしい奴だね」
「ええ」
「でもこれで少しは静かになるかもね」
「はい」
目障りな奴はいらない
消えてもらえばいいだけの事
そう、自分の手を汚す必要もない
それだけの事
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