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二度目の出会い
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「寒っ!」
今日は休みだったから家でダラダラ過してしまった
でも、冷蔵庫が空だったので少し足を延ばして買い物にやって来た
翔とはあれ以来会っていない
当然か・・・・
ここに来るのは買い物ぐらいだしね
買い物をする前に、何となく初めて会った場所に行って見た
いるはずないのに・・・・・・
「えっ・・・」
おいおい、また絡まれてるし
確かにあの顔立ちだから仕方ないけど絡まれすぎだろ
ここは平和の為に、行くしかないな
・・・・・なんて、ホントは何となく嬉しかったから声をかけたかっただけ
俺もやっている事はあいつらと変わりないような気もするけど
「早く行こうぜ」
「好きな所に連れて行ってやるからさ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「おい、返事ぐらいしろよ!」
「このまま連れて行こうぜ、そこに車もあるし」
「だな」
おいおい!
抵抗しろよ!!
と言うか、泣くのはあいつらだけどさ
「お待たせ、なんだお前ら」
「待ち合わせならそう言えよ!クソ野郎が」
「そんな言い方はないだろ、勝手に声をかけたのはどっちだ」
「うるせ!」
「後5秒で消えないのならこうなるけど」
ジャガイモを取り出して握り潰した
勿体無い・・・・・
「・・・・・行こうぜ」
「だな」
意外と安く済んだな
よかった
「よっ!」
「勿体無い」
「えっ?」
「そんな顔してた」
「あ、あはは・・・・」
バレてた
う~ん・・・・会話が続かない
どうしようかな
「そう言えば前もここにいたけど、待ち合わせだった?」
白々しい事を言ってしまったかも
「別に」
「風邪ひくぞ」
「いい」
「ん~~」
何を見ているんだ?
歩いている人?
「お腹空いてないか?」
「ナンパ?」
「違うよ、さっきいいりんごが手に入ったからさ」
「りんご・・・・・・」
「食べるか?」
「うん」
「わかった」
いつも行く八百屋に珍しくりんごが入っていた
朝収穫したての新鮮なりんごらしい
「はい」
「ありがとう」
少しだけ微笑んでりんごを受け取り、そのまま食べ始めた
りんごを食べていても絵になる奴なんて滅多にいないよな
「誰かを捜しているのか?」
「・・・・・・・・・・・弟」
「弟?」
「うん」
「弟か・・・・・歳は?」
「15」
「成程、顔は似ているのか?」
「似てないかな・・・でも歳より童顔だと思う」
「そうか、迎えに?」
「違う」
「そっか」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ごめん、余計なお世話だったな」
「別にいいよ」
でも、弟って・・・・・
塾とかじゃなさそうだし、家出でもなさそうだけど
「ご馳走様」
「ああ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
まだここに居るつもりかな
時間的にそろそろ帰ったほうがいいんだけど
家には帰りたくないと言っていたし
「まだここに?」
「うん」
「帰らないの?」
「帰らないんじゃなくて帰りたくないだけ」
「ごめん」
だからと言ってこのまま別れるのはな
「家に来るか?」
「何するの?」
「何もしないよ・・・・そうだ、りんごタルト作ってあげるよ」
「えっ?」
「それ以外は何もしない」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「夜は冷えるし、心配なんだよ」
「心配?どうして?」
「どうしてって・・・・・心配だからだ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「とにかく来い!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「投げ飛ばすなよ?」
「うん」
こうして半ば強引に家に連れて来てしまった
いいのか俺?
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