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兄弟
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夢を見た
昔の夢
翔と遊んでいる僕
二人でりんごを食べながら笑っている翔
ここはすごく暖かい
もしかして天国?
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
目が覚めた場所は白い部屋
そして誰かが僕の手を握りしめていた
誰?
そっと手を握りながら眠る人の顔を見つめた
金色の髪
この髪は・・・・・・・・
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
まさかね
「んっ・・・・やばい、寝てた・・・・・繭?」
嘘だ
どうして?
「繭、会いたかった・・・・ずっと捜していたんだ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・翔」
「ごめんね・・・・・辛い思いをさせて、本当にごめん」
どう言う事?
だって翔は幸せに・・・・・・・
「ママが死んだんだってな・・・・・それを聞いた時は驚いた」
「死んで当然です」
「繭?」
「僕だけ連れて行かれたのはどうしてですか?顔が綺麗ではないからですか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「翔だけ幸せになって僕は・・・・僕はっ!」
「ごめん・・・・本当にごめんね」
「一人にして下さい」
「でも」
「逃げられないでしょ?点滴中ですし」
「わかった」
頭の中が混乱していた
僕はどうしてここにいるんだろう
そしてどうして翔がいるんだろう
だけど、僕は許せない
どうしても許せない
そしてまた眠りに落ちた
混乱しながら・・・・・・
「翔、どうした?」
「・・・・・・・・・・・・・・うん」
「繭は?」
「今覗いたら眠ってた」
「どうして入らないんだ?」
「・・・・・・・・・・・・・繭は俺が許せないみたい」
「えっ?」
「俺だけ家に残されたから」
「でもそれは」
「いいんだ・・・・・今は早くよくなってくれればそれでいい」
「翔」
繭が俺を見る目は冷たかった
きっと俺を恨んでいるんだろう
だけど、俺だって寂しかった
決して幸せではなかった
でも、繭はもっと苦労していたに違いない
荒れた手を見ればわかる
「家に帰るか?」
「ううん、ここにいる」
「わかった、じゃ荷物を置いてくるから」
「うん」
俺たちを不幸にしたのはあいつだ
絶対許さない
繭まで奪われたんだ
そして今度は昔の思い出まで・・・・・・
絶対許さないからな・・・・・・
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