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そっとドアを開けて病室の中に入ると、目を覚ました繭が睨みつけていた
「怖いな~、俺は幻月だ、よろしく」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
「君は繭君だね」
「着替えを持って来たから後で着替えようか」
「何なんですか貴方」
「何って・・・・翔の・・・・あーーーうん」
「恋人・・・とか言うつもりですか?」
「驚かないのか?」
「別に興味ありません」
「そっか、そうだ!これ食べるか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
りんごのムースを繭に見せながら微笑んだ
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「俺の手作りなんだけど、食べてみ?」
「手作り?」
「少しだけなら大丈夫だろ?はい、あーん」
「止めて下さい」
「いいからあーん」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「いい子いい子、はいどうぞ」
少しだけ開いた口の中にムースを入れた
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「どう?」
「・・・・・・・・・・・・美味しいです」
「そっか、よかった」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「じゃ、もう一口」
今度は素直に口を開けた
「聞いてもいいですか?」
「何だ?」
「僕はどうしてここに?」
「翔はずっと君を捜していたんだ・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・嘘だ」
「本当だよ」
「捜す必要なんてないでしょ?」
「一人になった弟が心配だったんだろ」
「一人?僕はずっと一人でしたけど」
「どう言う意味だ?」
「翔はあの家でぬくぬくと可愛がられて育ったかも知れませんが、僕は・・・・・」
「成程、それは誤解だ・・・・・まずはその誤解を解く必要がありそうだな」
「誤解?」
「翔と話をしてみろ、これはお前達の問題だから」
「話すことなど」
「話さなければずっとこのままだろ?」
「別に構いません」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「何ですか」
「君を見つけた場所は、翔のお気に入りの場所だったんだ・・・・ホント、兄弟だなって思った」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「とにかく話をしてみろ」
「嫌です」
「じゃ、これだけは覚えておけ」
「?」
「翔は決して幸せではなかった・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「でも、俺がそれを話す訳にはいかないから」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「今すぐじゃなくてもいいけどさ、話したくなったらいつでも言ってくれ」
「少し眠ります」
「ああ」
背中を向けた繭の頭を撫でて、部屋を出た
う~~ん
感動の再会というわけには行かないか・・・・・・
繭もかなり苦労したんだろうな
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