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驚いた
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繭の退院の日になった
幻月は仕事が忙しいみたいで、毎日顔を見せてすぐに帰っていた
でも、毎日お土産は持って来てくれた
「よし、じゃ帰ろう」
「うん、繭」
「・・・・・・・・・・よろしくお願いします」
「任せなさい!繭君はもう家族なんだから」
「繭でいいです」
「そうだな、じゃそうするよ」
「はい」
繭は少し太って顔色もよくなった
最初見た時は、本当に痩せていたから嬉しい
「繭、歩ける?」
「うん」
「でも、掴まって」
「うん」
小さな繭の手が腕を掴んだ
嬉しい・・・・・昔と同じ
お世話になった看護師さん達に挨拶をして、久しぶりに外に出た
「いい天気」
「眩しい」
「じゃ、今日は繭が心配だからこのまま帰るけど」
「うん」
今日は少しだけ暖かい
でも、まだまだ寒い日が続くだろう
俺達はそのまま幻月のマンションに向かい、エレベーターに乗った
「ちょっと、ぼけてるの?」
「いいんだよ」
「ん?」
幻月が押した階は6階・・・・・
でも、部屋があるのは2階のはず
何故?
「じじゃーん!ここが新しい住まいです!」
「えっ・・・?」
「繭の趣味がわからなかったけど気に入らなかったら後で買い物に行けばいいかなって」
「あの・・・・意味がわからないんだけど」
「引越したんだよ」
「引越し?」
「三人で暮らせるようにさ」
「えっ?」
「その準備でなかなか病院にも顔を出せなくて」
「そうだったんだ」
「とにかく入ろう」
「うん」
どうしよう
すごく嬉しい
「玄関は同じ感じだな」
「うん」
玄関はほぼ同じ造りだった
「で、ここが繭の部屋でここが翔の部屋だ」
「・・・・・・・・・・・・・僕の?」
「ああ、これからどうするかはまた考えるとして着替えとかも一応用意したから着替えて来い」
「はい」
「翔もな」
「・・・・・・・・・・・・ありがとう、幻月」
「当たり前だろ?翔の弟は俺の弟でもあるんだしな」
「うん」
「で、俺は退院祝いのパーティーの準備をするから着替えたら二人で遊んでろ」
「子供みたい」
「いいからいいから」
そう言ってキッチンに向かってしまった
俺達はと言うと
「繭の部屋見せて」
「うん」
俺も初めてだから興味津々
繭の部屋は・・・・・・・・・・・・
「えっ・・・・・・」
「だと思った」
「・・・・・黄色い」
ひよこ部屋
部屋着ももちろんひよこ
素晴らしい部屋だな
ここま揃える幻月にもびっくりだけど
「着替えたけど・・・・・」
「可愛い!ぶっ・・・・・」
「笑った」
「いや・・・・・似合いすぎるから」
「・・・・・・・・・・・・・・今度は翔の部屋に行こう」
「だな」
そして・・・・・・・・・・・・・・
「うわ・・・・・同じだ」
「だな」
期待を裏切らない部屋だった
見事なひよこ部屋
壁紙まで同じとか・・・・・・マジかよ
「着替えてよ」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「早く」
「わかったよ」
溜息をつきながらお揃いの部屋着に着替えた
ここは期待を裏切って欲しかった
「・・・・・・・・・・・っ」
「笑いを堪えるなよな」
「あははっ、似合うよ」
「だろ?俺達が兄弟って証拠だ」
「・・・・・・・・うん」
「じゃ、探検しよう」
「うん」
新しい部屋を二人で探検した
こういうのってワクワクするね
「お風呂だな」
「うん」
「見事なひよこカラー」
「・・・・・・・うん」
「次!」
「次は?」
「トイレ・・・・もひよこ」
「この家にはひよこが何匹いるんだろう」
「さぁ・・・・・」
「と言うか幻月はひよこマニア?」
「マニアと言うか単に好きみたい」
「そうなんだ」
「じゃ、少し休憩しよう」
「うん」
二人でリビングのソファーに寝転がり、思わず目を合わせて微笑んだ
「見た?」
「見た・・・・・」
「どこから仕入れたんだろう」
「ね」
シャンデリアもひよこ
天井の壁紙もひよこ
恐ろしい数のひよこ
「いい匂い・・・・・」
「うん」
キッチンから美味しそうな匂いが漂ってきた
その匂いに包まれながら、二人で目を閉じた
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