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やばっ!寝過ごした!!
アラームセットし忘れて仕入れがヤバイ
「幻月、おは・・・・」
「ごめん!朝食はテーブルだ」
「うん」
「後、繭を頼むぞ」
「わかった、いってらっしゃい」
「行って来ます!」
急いで車に乗り、市場へ向かった
「あーー、ですよね」
綺麗に何もない
今日は魚が欲しかったのに、肉しかない
「ん~~、今日のランチはチキンカツだな」
仕方ないので鶏肉と野菜を仕入れて店に向かった
冷蔵庫の中には・・・きゅうりとセロリとジャガイモか
オリヴィエサラダにしようかな
ピクルスもいい感じに出来てるし
そのままコーヒーを淹れて仕込みに取り掛かった
「胡月か・・・・・いてっ!」
はぁ、何やってんだよ!
指を切るとか何年振りだろう
あの野郎・・・・・今度会ったら慰謝料請求してやる
「はぁ・・・・・・」
と言っても何もされていないしな
いやいや、されただろ!
でも・・・・嫌がる事を忘れていたというか・・・・なんと言うかさ
「おはようございまーす!」
「おはよう」
「指、どうしたんですか?」
「いや、何でもない」
「気をつけて下さいね、それと今日のランチは?」
「ああ、チキンカツかな」
「わかりましたー」
毎日のランチメニューを書いてくれるのはバイトの子
男だけど字が上手いし絵も上手い
「となりにひよこ描いて・・・・」
「あ?」
「い、いえ!なんでもありません」
「あっそ」
「あはは・・・・掃除します」
「よろしく」
レストランは俺とバイトの子が3人
それでもお昼は忙しい
嬉しい事なんだけどね
「コーヒー飲むか?」
「いただきます」
「じゃ、ここにおいて置くから先に飲め」
「はい」
俺も休憩しよう
「絆創膏だけで大丈夫ですか?」
「平気だと思う」
「ならいいですけど」
「今日の服、お洒落だな」
「マジですか?」
「ああ、すごくいい」
「でしょ?でもこのブランドは高くてなかなか手が」
「そうなんだ」
「まだ新しいブランドなんですけど、すごい人気があるんですよ」
「へぇ、なんて言うブランド?」
「クレッセントです」
「三日月か・・・」
「そうなんですか?」
「お前な~、大学行ってるんだろ?」
「あはは・・・・」
「フランス語ならクロワッサン」
「まじですか!」
「・・・・・・・・・・・大丈夫か?」
「あはは・・・・多分」
いい奴なんだけどすこーしお馬鹿さんなのが残念だな
「ちなみに、アウターだけでも万超えです」
「まじか・・・・その服は?」
「これは誕生日だったので親が」
「成程」
「はい」
「でも、よく似合ってるよ」
「店長もいかがですか?」
「俺?」
「はい、最近駅前にオープンしたんです」
「へぇ」
「覗いてみては?」
「でも高すぎだな」
「似合うと思いますよ?」
「気が向いたら行ってみるよ」
「是非!あと、そこのデザイナーは超イケメンです」
「どんな情報だよ」
「何となく」
でも、いいデザインだな
飽きが来ないし、動きやすそうだ
でもな~、アウターで万単位かよ
ないな・・・・・・
「あっ、もうこんな時間!急いで掃除してきます」
「ホントだ、俺も仕込みの途中だった」
・・・と、まぁいつもこんな感じでいつもアットホームな店だった
「店開けますねー」
「ああ」
開店は11時
開店と同時に来るのは常連のお客様
毎日コーヒーを飲みに来てくれる
その後は地獄のランチタイム
死にそうなほど忙しい
「ランチ4です!」
「はいよー」
「その後ドリンク出ます」
「ごめん、中でドリンク頼む」
「わかりました」
こんな調子だ
そして漸く客足が途切れると、バイトの子たちの食事
「あっ、いらっしゃ・・・・・店長!!」
「どしたー?」
「今のお客様です!」
「ん?」
「この服のデザイナー!!マジで嬉しい・・・・どうしよう」
「いいからオーダーとって来い」
「は、はい・・・でもどうしてここに?」
「いいから」
デザイナーね
イケメンとか言ってたけど、本当のイケメンはそうそういるものじゃない
でも・・・・見るだけなら・・・・・
「ランチまだいけますか?」
「えっ、ああ」
「じゃお願いします」
「わかった」
「はじめて実物を見ましたけどすごく綺麗で驚きました・・・モデルみたいだし緊張しました」
「へぇ」
「まじでやばい」
そんなにイケメンなのか?
同性が見てもイケメンならそうなのかも知れないけど・・・・・
「お待たせ」
「あー、緊張する」
「いいから持って行け」
「はーい」
んじゃ、俺も今のうちに食事を済ませてしまうか
しっかり食べないと体がもたないしね
「店長!店長!!」
「今度は何だ?」
「それが・・・全く手をつけないんですけど」
「何だと?」
「料理が冷めてしまうのに・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
それはそれでムカつくな!
せっかく作った料理に手をつけないとか意味がわからない
ムカついたから顔を見てやる!
そっと厨房からホールを覗いて、思わず声を出しそうになった
な、なんであいつが来てるんだ?
偶然か?そうなのか?
「食べる気がなさそうですね」
「あの野郎・・・・・」
「えっ?」
料理を無駄にする奴が一番嫌いだ
つい、ホールに出て胡月のテーブルに向かい
「・・・・・・・・・・・・痛い」
「お前な~、食べる気がないなら来るな!」
・・・・・・と、頭を殴って暴言を吐いてしまった
「そういう訳ではない、と言うかグーは危険だ」
「じゃ、どういう訳だ」
「ランチがチキンだとは知らなかった」
「はい?」
「あっ!ごめんなさい・・・・僕、看板消してしまって」
「なら尋ねろ!」
「すまない」
「で・・・?」
「チキンはアレルギーが出る」
「チキンだけ?」
「そうだ」
「待ってろ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ったく!
それなら仕方が無い
つい殴ってしまったけど、そのお詫びだ
「店長!もしかして知り合いなんですか?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「さすがですね、驚いちゃいました!」
はぁ・・・・・・・・・
知り合いと言うか、どう説明していいのやら
「しかも殴ってるし・・・・・有名なデザイナーですよ?」
「反省も後悔もしていない」
「えっ・・・?」
「と言うのは冗談だ、これはサービスだからあいつからお金は頂かなくてもいい」
「慰謝料代わりですね?」
「いいから持って行け!」
「はーい」
チキンカツの代わりにホークジンジャーを作り、様子を見た
てか、俺が慰謝料払ってどうするっ!
「店長!」
「今度は何だ」
「食べてます!」
「そ、そうか・・・・」
「はい」
よかった
んっ?何でよかったなんだ?
ああ・・・・食べてくれたからか?
いやいや、何かが違うような気もする
「店長!」
「ん?」
「帰られますよ」
「そうか」
「でも、お金を払うと言って」
「わかった」
あの野郎・・・・・
「今日はサービスだ」
「どうして?」
「看板を消してしまったのはこっちのミスだしランチの説明をさせなかった俺が悪い・・・・・あと、殴って悪かった」
「そんな事はどうでもいい・・・・尋ねなかった俺が悪い」
「いいから、帰れ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「い、いや・・・・また来いよ」
「わかった、ご馳走様」
「ああ」
これでよかったのかな?
気を悪くしてないよな?
「綺麗な髪でしたね~」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「背も高いし、ホントに見惚れてしまいました」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「店長?」
「テーブルを片付けたら食事にしろよ」
「はい」
何だこの感情は
香りか?
この香りで腰が砕けそうだ
どうしたんだ俺は・・・・・・
あーーーーっ!頭が割れそうだ
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