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「お疲れ様でしたー」
「お疲れ、また明日」
今日も無事に終わったな
少し遅くなってしまったから急いで帰らないと
裏口から店を出た瞬間、いきなり現れた影に驚いた
「おわっ!」
「お疲れ」
「何でこんな所にいるんだよ!めちゃ驚いたし」
「ごめん」
「忘れ物か?」
「そんな感じだ」
「マジか、何を忘れたんだ?」
「お礼」
「はい?」
「今日のランチのお礼」
「お礼って・・・・意味がわからないけど」
「とにかくこれはお礼だ」
「えっ・・・」
何か高そうな紙袋を渡されたけど・・・・・
「何だ?」
「うちの商品だ」
「商品って・・・・・まさか!」
「気に入らなかったら捨ててくれ・・・・お前に似合いそうな服をチョイスしたつもりだ」
「いやいや、もらえないよ」
「何故」
「何故って・・・・高い物だし」
「俺はお前に着て欲しい」
「でもな・・・・ん~」
袋の大きさと重さから言って、たくさん詰め込んであるみたいだし
値段も知ってるからな
「とにかく見るだけでも」
「・・・・・・・・・・・わかった、じゃ店で」
「ああ」
もう一度鍵を開けて店内に入り、ホールに向かった
「どうぞ」
「ああ」
開けるだけなら・・・・いいよな
そっと袋を開けて服を取り出した
「うわっ!めちゃいいな」
「だろ?」
「このラインがすごく好きだ・・・・じゃなくてっ!」
「気に入ったかどうかだけ教えてくれ」
「・・・・・・・・・・・・・・・気に入ったけど」
「じゃ、着ろ」
「はい??」
「外は寒いし」
「あのさ・・・・・はぁ」
ダメだ
何を言っても無駄そうだ
でも、アウターで万単位・・・・
じゃ、この暖かそうなジャケットはいくらなんだ?
しかも何かインナーまであるし
「ん~~~」
「なら捨てろ」
「だからどうしてそうなるんだ!」
「これはお前用に持って来たやつだからだ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
ダメだ
引きそうに無い
「わかった!じゃ、ありがたくもらうよ」
「そうか」
はぁ・・・・
ランチのお礼って・・・ぶっ飛びすぎだろ
「そうだ、お前何か食べたのか?」
「ランチを食べた」
「いや・・・夜だ」
「いや」
「じゃ、ちょっと待ってろ」
「わかった」
そのまま厨房に向かい、ラザニアとサラダを用意してテーブルの上に置いた
「熱いから気をつけろよ」
「これは?」
「ラザニアだ、チキンは入っていない」
「どうして?」
「だからっ・・・・お礼のお礼だ」
「・・・・・・・・・・・いただきます」
「どうぞ」
・・・・・・・・・・・と言うか
「あのなー!」
「何だ」
「お前ってもしかして偏食で好き嫌いが多いのか?」
「よく言われる」
「ったく・・・・全部食べろ!残したら出禁だ」
「・・・・・・・・・・・・わかった」
ラザニアの皮をむいてどうする!
細かいニンジンも器用に取り除いてるし
「まずいのか?」
「いや・・・初めて食べたから」
「なら信じて食べろ、まずくはないはずだ」
「わかった」
よしよし、ちゃんと食べてるな
「どうだ?」
「美味いな」
「だろ?」
「ああ」
「ちゃんと食べなきゃダメだろ?」
「じゃ、お前が傍で食べさせてくれ」
「だから・・・・・無理だから」
「そうか」
何だろう
すんなり返事をされて寂しいと思うなんて俺は馬鹿かっ!
「おいおい、髪にソースが付いてるぞ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ったく、綺麗な髪なんだから気をつけろ」
胡月の髪を持ち上げて、おしぼりで拭いた
「ほら、こっちも」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ん?」
「お前、無防備すぎだろ」
「えっ・・・って近いからっ!」
「そうだな」
「そうだなって・・・・・」
「どうして抵抗しないんだ?」
「なっ!」
「食後のデザート」
「へっ?・・・・・・んんっ・・・っ」
こいつ・・・・・
何なんだ・・・・・・
今日のキスは・・・・・・やばい
「だからどうして抵抗しない」
「どうしてって・・・・どうしてだ?」
「俺が聞いているんだ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
おかしいぞ俺
何でこいつに好き勝手やらせてるんだ
「嫌なら逃げろよ」
「だから・・・・・んっ・・・っ」
何で逃げないんだ俺
綺麗な髪が顔に触れた
近くで見ても綺麗なんだな
「俺・・・・どうすればいい」
「俺が殴られてやるよ」
「でも・・・・・あいつらを見放す事は出来ないんだ」
「あいつらね・・・・・・」
「何だよ」
「もう恋人ではなく弟感覚だな」
「えっ?」
「好きの意味が違うんじゃないのか?」
「そんな事は・・・・・ないよ」
「だからお前は護られている方がいいと言っただろ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
だけど、余りにも身勝手すぎる
俺の幸せより翔達の幸せの方が大切なんだ
「わかった・・・・ではとりあえず、会わせろ」
「えっ?」
「挨拶だけだ、何も言わないし何もしない」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「嫌か?」
「わかった、じゃ友人と言う事で」
「ああ」
こうしてよくわからないまま胡月も一緒に家に帰る事になった
だけど・・・・・・
どうして連れて行こうなんて思ってしまったんだろう
ホントに俺はどうしようもない馬鹿だな
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