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時計を見つめながら、ただ待つ事しか出来なかった
翔をマンションまで送って降ろしたのは2時間前
部屋の明かりは消えたまま
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
そして漸く入り口に人影が見えた
しかし、二人?
あいつらではないのか?
でも、しばらくして部屋の明かりがついたと言う事はやはり今の二人のうちのどちらかと言う事か
どうやら恋人は髪の短い方だったらしい
長髪の男は、ベランダで煙草を吸いながら空を見上げていた
そしてふと、車に視線を落とし部屋の中へ消えて行った
「大丈夫か・・・・?」
後、30分待って出てこなかったら行ってみるか
「冬矢」
「翔、大丈夫だったか?」
「ん・・・・ごめんね、待たせてしまって」
「気にするな、それで?」
「うん・・・・・よくわからないけど、大丈夫だと思う」
「そうか」
「幻月を好きだと言う人も一緒に来て驚いたけど・・・・・お互い本当の相手を見つけたって事かもね」
あの男の事か
成程ね
「じゃ、帰ろう」
「えっ?」
「お前は家に来い」
「わかった・・・・今更戻れないしね」
「そういう事だな」
翔を連れてそのまま屋敷に戻ると・・・・・・・
「お帰りなさい」
「来ていたのか」
「ええ、先ほど日本に」
「そうか」
「そちらの可愛い方は?」
「翔だ・・・・」
「成程、そういう事でしたか」
「そういう事だ、翔」
「うん」
「こいつは弟の和海だ」
「はじめまして、和海と申します」
「こんばんは、翔です」
「冬矢には勿体無いですね」
「黙れ」
相変わらず口の減らない奴だ
そんな俺達を交互に見つめながら翔が言った
「・・・・・・・・・・・・・・・・双子なのに似てませんね」
「性格は私の方がかなりまともですよ」
「ふざけるな、どSのくせに」
「おや、心外ですね」
「本当に似ていなければよかったと思うよ」
「私もです」
「えっ?」
「髪型と瞳の色は異なりますが・・・・いかがですか?」
和海の奴・・・・翔が気に入ったらしい
髪を持ち上げて俺の隣で微笑んだ
「そっくり・・・・」
「でしょ?」
「驚いた・・・・・・」
「翔、それ以上こいつに近付くな」
「えっ?」
「酷い言われようですね・・・・・相変わらず」
「ところでどうだ?」
「ええ、準備は出来ました」
「そうか・・・後は、乗り込むだけだな」
「そういう事ですね」
「あの・・・・・・」
仕事が早過ぎて翔には理解出来ていないらしい
「翔、会社を乗っ取る準備は出来た、後は好きにしろ」
「えっ・・・もう?」
「こいつは仕事だけは早いからな」
「失礼ですね」
「驚きました、本当にありがとうございます」
「お礼は、貴方で」
「殺すぞ」
「冗談ですよ」
「顔が本気だ」
「おや・・・・失礼」
ったく・・・油断できない奴だな
でも、こいつに任せておけば全てがうまく行くはずだ
「ところで、冬矢」
「何だ」
「まだ秘書などして遊んでいるのですか?」
「意外に楽しいんだよ、いろいろな情報も入るしね」
「いい加減にしてくださいね?」
「わかったよ」
そろそろ自分の会社に戻らなければ和海が切れそうだ
「冬矢って・・・・ホントは何を?」
「俺か?」
「うん」
「ん~」
何と言われると困るな
会社は1つではないし
「ん?」
「日本ではアパレル関係の会社を・・・・・」
「うん」
「イライラしますね・・・冬矢は海外と日本で会社を経営していて日本ではアパレル関係、海外では不動産関係を私に任せて秘書をして遊んでいます」
「えっ・・・・」
「ちなみに私はホテル関係だけでしたが、クソ忙しい私に他の会社も押し付けるような兄です」
「あ、あはは・・・・そうなんだ」
「何気に毒を吐くな」
「気のせいです」
「それで、いつまで日本に?」
「いつまで?そんなに追い出したいのですか?」
「いや・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「予定を把握しておかないとな」
「気が変わりました・・・・しばらく滞在します」
「えっ」
「ざまあみろですね」
「お前・・・・・ホントに性格ひねてるな」
「双子ですので仕方がありません」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「と言う訳ですので、翔君よろしくおねがいします」
「いえ、俺は押しかけた方ですから」
「冬矢は強引ですからね・・・・・」
「お前、そろそろ黙れ」
「そうだ、翔君はチョコはお好きですか?」
「好き」
「もう一度・・・・」
「好きです」
「もう一・・・・・」
「いい加減にしろ!」
「可愛いですね、ゾクゾクします」
「・・・・・・・・・・・・・・・・翔、スタンガンを後で渡すから」
「えっ」
「人を熊扱いしないで下さい」
「お前は熊よりたちが悪い」
「ではこれを」
いつの間にお土産を用意したんだ?
抜け目がない奴め・・・・
「すごい、このチョコすごく高いんでしょ?」
「どうぞ」
「ありがとう」
和海も奴・・・
油断も隙もないな
「残念だが、翔はチョコよりもこのりんごが気になるらしい」
「えっ?」
「だろ?」
「うん」
リビングのテーブルに置かれたりんごをさっきから見ているしね
「食べるか?」
「いいの?」
「ああ」
「ありがとう」
「今、ナイフを」
「このままで」
「そうか」
りんごを一つ渡し、頭を撫でた
「翔君はりんごが・・・・」
「だからと言って部屋中りんごだらけにするんじゃないぞ」
「・・・・・・・・・・・残念」
「ったく」
こいつならやりかねない
「美味しいか?」
「美味しいけど・・・・・・」
「やはり明日もっとおいしいりんごを用意させますね」
「お前はいい!」
「そのりんごは綺麗なだけで鮮度が落ちていますし」
「うん、でも美味しいよ」
「翔君はいい子ですね・・・冬矢に気を使うなんて」
「えっ・・・・」
「お前・・・・もう寝てしまえ!」
「では三人で」
「ふざけるな」
「では翔君と・・・・」
「撃ち殺されたいらしいな」
「冗談ですよ、では今夜は先に休ませていただきます」
「ああ」
「おやすみなさい」
「翔君・・・また明日、話を聞かせて下さいね」
「はい」
「では」
あの野郎・・・・・
何気に狙ってるし
一番油断出来ない奴だ
「面白い人だね」
「相手にしなくてもいい」
「何だか似てる」
「似てる?」
「うん、兄弟ってやっぱり似るんだなって」
「・・・・・・・・・・・・・・・・冗談じゃない」
「仲がいいんだね」
「・・・・・・・・・・・・・・・・冗談だろ」
でも・・・確かに似ている
妙に残酷なところとか、好きなタイプとかそっくりだ
「疲れただろ、お風呂に入って今夜は寝よう」
「うん」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・一緒に」
「でも、お風呂は明日にしてもいい?」
「・・・・・・・・ああ」
「すごく眠くて」
「わかった、じゃ今夜はもう休もう」
「うん」
めちゃくちゃ勇気を出した答えがこれか・・・・
和海がいたらきっとニヤニヤしていたに違いない
眠そうな翔を連れてベッドルームに向かい、ベッドの中に入って抱きしめた
「おやすみ」
「おやすみ」
可愛い・・・・・・・
抱きついて眠る翔
今夜は・・・・・眠れそうに無い
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