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その頃・・・
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退屈・・・・・
せっかく再会出来たのに俺は放置だし
「繭」
「どいて下さい」
「うん、ごめん」
ソファーの上で膝を抱えるようにして動き回る繭を見つめた
小回りがきいているから動きがすばやい
「どうして片付けようとしなかったのですか?」
「どうしてだろうね」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
面倒臭いから・・・・なんて言ったら怒りそうだし
「もう遅いし残りは明日に・・・」
「ダメです!」
「・・・・・・・・・・・・・はい」
そう言えば、繭は綺麗好きだった
「この服は?」
「クローゼットの中かな」
「わかりました」
そして力持ち
ダンボールを2個抱えて目の前を通り過ぎた
「楓、お風呂どうぞ」
「えっ?」
「さっきお湯を入れておきましたから」
「・・・・・・・・・・・・・うん」
いつの間に・・・・・
「どうぞ」
「うん、あのさ」
「はい」
「繭も入らない?」
「僕は後で」
「・・・・・・・・・・・・・・そう」
そして鈍い
ものすごく鈍い
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「あっ!」
「うん!」
「入浴剤が見つからなかったので入れてませんけど」
「・・・・・・・・・・・・・・・・うん」
お風呂入ってこよう
悲しくなって来た
「じゃ、行って来る」
「はい」
はぁ・・・・・・
いつになれば一緒に入れるんだろう
と言うか、ホントに恋人同士だよね?
何だか全然そんな感じがしないんだけど・・・・仕方ないか
小さく溜息をついて、バスルームに向かった
「はぁ・・・・・・」
タオルで汗を拭いて床に座り込んだ
「お風呂なんて恥ずかしくて一緒に入れるわけがないのに」
でも・・・何となく寂しそうだったな
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
そのまま立ち上がり・・・・・・・
ドキドキしながら、バスルームに向かった
「楓」
「いたたた」
「えっ?」
転んだのかな?
「開けますよ」
「シャンプーしてたら髪がピアスに」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そのままで」
「うん」
「僕も入りますから」
「えっ?」
「待っていて下さい」
「うん」
恥ずかしさなんて忘れて服を脱いでバスルームのドアを開けた
「今取りますね」
「うん」
と言うか、絡みすぎ
「もう引っ張って」
「ダメです、もうすぐですから」
「わかった」
相変わらずがさつと言うか、面倒臭がりと言うか
丁寧に絡まった髪をほどきながら苦笑した
「とれました」
「ありがとう」
「いえ」
「寒いでしょ?体が冷たい」
「大丈夫です」
「駄目だよ、早く入って」
「はい」
シャワーで体を流し、暖かいお湯の入ったバスタブに体を沈めた
「溺れないから安心して」
「はい」
母親に殺されかけてからバスタブが怖かった
その日以来、バスタブの縁をしっかり掴んで入浴するようになったんだっけ
「手はここ」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「でも、怖いなら繭はここ」
「えっ・・・」
そのまま抱きかかえられて膝の上に乗せられてしまった
「これなら大丈夫でしょ?」
「・・・・・・・・・・・はい」
「手はやっぱりここ」
「・・・・・・・・・・・・・・」
首に回せと言う事かな?
そこしかなさそうだし
そっと首に腕を回し、慌てて目を逸らした
「繭」
「はい」
「もう離さない・・・・絶対にね」
「・・・・・・・・・・・はい」
そう言って抱きしめられたまま、優しいキスをしてくれた
「可愛い・・・・すごく可愛い」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「このまま食べてしまいたい・・・・・・」
「目が・・・・回る」
「えっ?」
「クラクラ・・・します」
そうだった
僕はのぼせやすいから3分以上入れなかったんだ
「繭!」
その後の事はよく覚えていないけど、楓が頭を冷やしてくれた事は何となくわかった
僕、すごく幸せだな
今度こそ、この幸せが続きますように
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