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忘れていた
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「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「どうした?」
「うん、仕返しをしたい人間がもう一人いた」
「誰だ?」
「ん・・・それは繭に聞かないとわからない」
「繭君に?」
「うん」
「じゃ、ここに呼べばいい」
「ここに?」
「ディナーにご招待だ」
「来てくれるかな」
「言わなければ無理だな」
「そうだね、電話をかけてみる」
「ああ」
すぐに繭に電話をかけた
どうやら幸せそうだ
声が弾んでいるしね
「どうだった?」
「来るって」
「わかった、じゃそのように準備をさせる」
「ありがとう」
二人で来るって言ってたから嬉しいな
「そうだ」
「ん?」
「繭もりんごが好きだから買ってくる」
「一人は危険だから俺も行く」
「うん」
「どんなりんごだ?種類は?」
「出来れば収穫したてのみずみずしくて甘い蜜の入ったりんご・・・・なーんて無理だよね」
「わかった、庭から行くぞ」
「えっ?」
庭って・・・・意味がわからない
そして・・・・・
「なっ!!」
「早く乗れ」
「ど、どこに行くの?」
「青森だ」
「えっ!!」
ヘリで青森・・・・
いや、ヘリをタクシー代わりにして青森
ハロー青森
・・・・・って!!
「あのねっ!」
「お前にも食べさせてやりたいし」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
何も言えなくなった
もう・・・・・
そしてりんご園に行き、初めてりんご狩りをした
すごいすごい!
りんごがたくさん!!
「食べてもいいぞ」
「うん!」
自分で収穫したりんごをそのままかじった
すごく美味しい・・・・どうしよう
「美味いか?」
「うん、すごく美味しい!」
「よかったな」
「うん」
そしてそのまま屋敷に戻り、りんごを綺麗なかごに入れた
「疲れていないか?」
「平気」
「そうか、そろそろ来る頃だ」
「わかった」
もうそんな時間なんだ
当たり前か・・・・・さっきまで青森にいたんだから
「来たな」
「うん」
急いで玄関に向かい、扉を開けた
「いらっしゃい」
「翔・・・・なにこの屋敷、タクシーを降りて門から玄関にたどり着くまで10分かかった」
「あはは・・・・入って」
「うん」
「楓さんもどうぞ」
「ありがとう、これは繭セレクトのお花」
「綺麗、ありがとう」
綺麗な花束を受け取り、二人を案内した
「翔」
「ん?」
「りんごの匂い」
「ああ、ばれた?」
「うん」
「繭の分もあるから」
「ホント?」
「ホント、しかもさっきまで木になっていたやつ」
「え・・・」
「俺が収穫してきたんだ」
「意味がわからない」
「あはは・・・・だよな」
その後、みんなで食事をしながら楽しい話をした
繭は幸せそうだ
「おなかいっぱい・・・・・」
「繭、星が綺麗だぞ」
「ホント?」
「来いよ」
「うん」
何とか繭を呼び出す事が出来た
冬矢と楓さんは難しい話をしていた
「綺麗だね・・・・」
「だな」
「翔は幸せ?」
「ああ、お前は?」
「すごく幸せ」
「そっか・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・・何か聞きたい事があるんでしょ?」
「まぁ・・・・な」
「うん」
二人でバルコニーのベンチに腰掛けた
「今更こんな話はしたくないんだけどさ」
「うん」
「俺は繭がされた仕打ちが許せないから」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ごめん、思い出させてしまって」
「ううん」
「そうだ、会社と家は奪い取ったよ・・・あいつらはもう俺達の家族ではない」
「うん」
「最後は繭だ」
「・・・・・・・・・・・・・・・うん」
「教えてくれ、繭が引き取られた家はどこ?名前は?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「殺したりはしないけど、それなり事はさせてもらう・・・・嫌か?」
「ううん、そんな事は無い」
「そっか」
「あんな生活の中で、僕は死んだような時間を過ごしていたんだ・・・・悔しくて憎い奴だから」
「うん」
そして繭から家の場所と名前を教えてもらった
「ありがとう、繭」
「ううん、僕の方こそありがとう」
「じゃ、新聞を楽しみにしていろ」
「わかった」
繭の頭を撫でながら、頷いた
でも、そこはここからかなり離れた場所だった
どうしよう・・・・・
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