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家族
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あれから半年、俺は結局冬矢の秘書として仕事をしていた
秘書・・・なのかな?
「どこへ行くんだ」
「コーヒーでも」
「お前はそんな事をしなくてもいい」
「でも」
「コーヒーよりこっちがいい」
「もう・・・・仕事中でしょ!」
「休憩だ」
「んっ・・・っ・・・・」
休憩が多すぎ!
しかも脱がすの早すぎ!!
「・・・・綺麗な肌ですね」
「・・・・・・・・・・・・殺すぞ」
「止めてください、怖いです」
「・・・・・・・・・・・・・・・・」
和海・・・・・相変わらずだな
しかも必ず、俺が脱がされたと同時にやって来る
さすがだとしか言いようが無い
「それで今日は何だ」
「はい、家が完成しましたのでお知らせに」
「えっ?」
「今から見に行きますか?翔だけ」
「お前・・・・・」
「行きたいけど・・・・」
「冬矢はいいと言っていますので」
「・・・・・・・・・・・・・行って来い」
「うん、ありがとう!」
「では、仕事頑張って下さいね」
「ああ」
「翔、ランチも食べましょうね」
「えっと」
「よろしいですね?」
「・・・・・・・・・・・・・・・どうぞ」
「優しい恋人を持って幸せですね」
「嫌味かよ」
「まさか・・・・・本音ですよ」
「嘘くさい」
「ばれましたか?」
「お前・・・・・」
「あはは・・・和海、行こう」
「はい」
喧嘩はしないだろうけど、空気が冷たいし
相変わらず高そうな和海の車に乗り、ランチを食べ、漸く出来たての家に向かった
すごく楽しみ・・・・・
「寄るところがありますので」
「うん」
そう言って降りたところは・・・・ん?花屋さんと言うか、いろいろな木も売ってるお店だった
「何を買うの?」
「注文しておいた木の苗を」
「木?」
「ええ、りんごの」
「えっ?」
「そんな話を聞いたような気がしたので」
「嬉しい・・・・・ありがとう」
「どういたしまして」
でも、和海にその話をしたかな?
・・・・・まぁ、いっか
苗と言っても立派な木だった
「育て方によっては来年実をつけるそうです」
「そうなんだ、おばーちゃんならきっと上手に育ててくれるはず」
「そうですね」
はやくおばーちゃんを迎えに行きたい
早く・・・・・
「着きました」
「すごい・・・・・すごく明るい家だね」
「はい」
庭が広くて陽射しがたくさん入る家だった
縁側もある
まるで田舎のおばーちゃんの家みたいだ
「翔・・・・!」
えっ・・・?
今の声は
「おばーちゃん?」
「翔っ!」
やはりそうだ
でも、どうして?
「翔」
「繭まで?」
どう言う事?
「繭を捜してくれたんだね・・・・嬉しいよ、翔ありがとう」
「ううん、でも」
「先週和海さんが僕をおばあちゃんの家に連れて行ってくれた」
「うん」
「そしてそのまま一緒に」
「そうだったんだ」
知らない間にそんな事までしてくれていたんだね
すごく嬉しい
「でも、こんな立派な家に住むなんてバチが」
「あたるわけないでしょ?これからずっとここに住んで、俺達が遊びに来たら色んな話を聞かせてね?」
「ああ・・・・もちろんだよ」
「家具類は僕が楓と選んで揃えておきました」
「ありがとう、繭・・・すごく気に入ったよ」
「・・・・・・・・・・・・はい」
少し照れている繭は可愛い
「繭、来て」
「うん」
そして二人で庭にりんごの木を植えた
すごく幸せだ
この木にりんごが実を付けたら、繭と一緒に食べよう
きっとそのりんごは幸せのりんごに違いないから
「お茶が入りましたよ」
「うん、行こう」
「うん」
縁側で飲むお茶は最高に美味しかった
おばーちゃん特製のお団子も美味しかった
「これは・・・・」
「和海は食べた事無いの?」
「ええ、とても綺麗な色ですね」
「うん、三色団子だよ」
「いただきます」
どうしよう
めちゃくちゃ似合わない
繭も笑いを堪えているみたいだ
「美味しい・・・・」
「でしょ?」
「ええ、素晴らしい味です」
「うんうん」
そして楓が合流して、ちょっとしたお茶会になった
おばーちゃんは楓も和海も笑顔で迎え入れてくれた
それが嬉しかった
「ここにいるみんなが家族ですね」
「うん、そうだね・・・・・温かい家族」
「うん・・・・・嬉しい」
「だな」
みんなが家族
繭も嬉しそうだ
もちろん俺も嬉しい
でも・・・・・・・・・・・何か忘れているような気が
「俺だけ仲間外れとは・・・・・和海の奴、仕事をぎっちり押し付けやがって」
・・・・・・と冬矢が愚痴っていたのを知ったのはその日の夜だった
冬矢は一番大切な家族だよ・・・・
これからもずっとね
ー完結ー
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