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最悪だ!
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「はぁ・・・・・」
昨日優勝したはずなのに、俺の話題ではなくあいつの話題で持ちきりだった
何だか、虚しい・・・・気分は最悪
だから昼休みは屋上へ来てパンを食べていた
だってさ・・・教室でも廊下でも、あいつの話しか出て来ないし、何か俺があいつに負けたみたいに言われてるし・・・・負けたけどさ
「何なんだよ・・・・おめでとうとか言ってくれてもいいじゃん・・・俺、すごく頑張ったんだよ」
トロフィーをもらっても嬉しくない
試合じゃなくても、俺はあいつに負けたんだから
「あーーーっ!もう!!今度あいつに会ったら文句を言ってやるんだから!」
あっ・・・パンを握り潰しちゃった
クリームが手に、べたべたするし
「・・・・・・・・・・・鈍くさっ」
「なっ!・・・・・えっ?」
誰?
ここは立ち入り禁止なのに
俺も見つかったら怒られちゃうけど
でも、姿が見えない
も、もしかして幽霊?昼間から?そうなの?
「だ、誰?」
「お前の目は上を見るスキルはないのかよ」
「上?」
上って・・・・上れないし
「まぶしっ」
誰かいる
はしごがなければ上れない場所にいる
太陽の光を背負うようにして立っている
「来いよ」
「えっ、無理」
「どうして?」
「だって、はしごが無いし」
「そこにあるけど」
「えっ?」
あっ・・・・ホントだ
思い切りある
気が付かないだけだった
「来ないの?」
「・・・・・・・・・・・・怖いし」
「は?」
「だからっ!高い所は怖いの!!」
「クスッ」
えっ・・・
この笑い方・・・・・まさか
「しょうがないな」
「おわっ!!」
驚いた
目の前に飛び降りて来た
すごい・・・・・けど・・・・ん?
「やば・・・・」
「どうしたの?」
「ん~、壊れた」
「壊れたって何が?」
「足かな」
「足?捻挫とかしたの?」
「いや・・・・この義足がさ」
俺はいきなり外した足に驚いて、そのまま気を失ってしまった
「マジかよ・・・・おい、大丈夫か」
「んっ・・・・・」
「あれ、俺」
「お前さ、これぐらいで気絶するな」
「ひっ!!」
「傷付くな~」
「ご、ごめん・・・・って嘘?!昨日その足で跳んだの?」
「だな」
「えっ・・・・すごい」
「とりあえず、壊れちゃったから今日は帰るよ」
「帰るって?」
「今日はお前に挨拶をね」
「ん?」
「俺、お前と同じクラスらしいからよろしく」
「も、もしかして、この学校に?」
「そうだよ」
「どうして?もっと陸上が強い学校が・・・・・って、それじゃ俺がまた負けるしまずいか・・・でもでもっ」
「あのさ、お前何勘違いしてんの?」
「お前じゃなくて燕羽ですぅー!」
「あそ」
「むかっ!」
「俺はもうハイジャンはやらないよ」
「えっ・・・・・どうして?」
「やりたくても出来ないしな」
「あっ、ごめん・・・でも、昨日跳んだのは高校新だよ?出来るよ!」
「体力的に持たないんだよ」
「だったらパスすれば・・・んで、最後だけ跳べば」
「もしそんな事をされたらお前どう思う?」
「ムカつくけど・・・・うん」
「だろ?」
そう言いながら誰かにメールを打っていた
「じゃ、昨日はどうしてあんな事をしたんだよ」
「あれは宣誓布告かな」
「誰に?」
「お前じゃない事は確かだ」
「ひどっ!」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
「じゃ、どうして笑ったの?」
「あれか・・・あれはお前の瞳が捨て犬に見えたからかなー」
「なっ!」
「それだけだ」
「・・・・・・・・・・・・・・マジかよ」
「俺は翔、よろしくね」
「・・・・・・・うん」
でも、何をしにこの学校へ来たんだろう
それが謎だった
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