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俺、彼女欲しい?
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登校時間が遅くなったからか、道で桐山に会うことはなかった。
しかし学校に行けば嫌でも顔を合わせることになる。
と思っていたら桐山は朝から女子に囲まれ(名付けてガールズウォール)顔を合わせることはなかった。
4時間目が終わると俺はお弁当片手にそそくさと隣のクラスへ向かった。
「はーしだくん。あそびましょー!」
「君が昼休みに訪ねて来るなんて珍しいな。」
橋田 幸生。中学からの友人。メガネで真面目(あと天然)という属性を持ちながら俺と同様の頭の悪さを持つ。赤点仲間だ。
「あっもしかして前回のテストか?聞かれるまでもなく俺は赤点だぞ?」
「はいはい。俺もだよってそんなこと話しに来たんじゃねぇって。」
橋田の机の上に弁当を広げながら本題に入る。
「なぁ彼女って欲しいよな。」
「まぁそうだな。出来るなら欲しい。」
「よし。じゃあなんで彼女って欲しくなるんだ?」
「・・・なぜだ?」
「だろ!俺もなんで彼女欲しいって思うのかわからなくてさぁ。」
「違うそこじゃなくて。なんで急にバカのお前がそんなこと考えたのかって話だ。」
「あーそれなぁ。」
俺は少し悩んでから桐山のことを話すことにした。恐らく1人でうじうじ悩んでいてもいい答えは出ないと思った。
「実は、親友に彼女が出来まして。」
「あぁ。」
「で、それをよく思ってない俺がいるんですよ。」
「嫉妬か?」
「あーやっぱりそうなるよな。」
「今更だろう。桐山はモテるタイプの男だからな。嫉妬なんてしても仕方が無い。それで彼女が欲しいのは何故かという非モテが行き着く哲学に至ってしまったわけか。」
「うーん。やっぱりその嫉妬だよな。」
桐山が取られる事に嫉妬ではなく桐山が彼女をつくれる事に対しての嫉妬だと言うことにするとした。
「そうだな・・・俺の答えは他のみんなが彼女欲しいって言うからだろう。他の人が欲しいものは自分も欲しいみたいな。」
「はぁ、なるほど。って待て。おれ親友とは言ったけど桐山とは言ってないよな。」
「お前が親友と言ったら桐山しかいないだろう。四六時中一緒にいて何言ってるんだ。」
「ははーだよね。」
「それよりその彼女ができたって話は本当なのか?桐山に彼女が出来たらかなりの噂になるはずだが。お前の早とちりっていう可能性は。」
「なるほど!そうだよな!勘違いっていう可能性もあるよな!ありがとう橋田!解決だ!」
「お、おう?良かったな。」
「善は急げ。俺確認してくる!」
もし勘違いなら嫉妬がどっちだろうとそもそも嫉妬する必要がないんだから彼女がいないことを確かめてくればいいのだ。
急いで食べ終わった弁当を片付け自分のクラスへと戻る。
「あいつ・・・バカなのか?」
走り去る背中を見守りながら橋田はため息をついた。
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