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俺、頭が冷えた
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教室に入り自分の席に座ると昨日が嘘のように冷静になった。
というか頭が冷えた。
急にモテ期が来るなんてありえないわ。そもそもゲームの中に入っちゃったかもーなんてバカらし。
あっでもメニュー画面出た、メニュー、てか急にモテ期と言ったら桐山だよなあいついつの間にかハーレムしやがって…あれ、これ?
後ろの席の桐山をチラッと見るともう既に女子何人かに囲まれていた。
羨みとこのやろという目線を送ってから胸ポケに入れっぱなしにしていた説明書を引っ張り出す。
二ページ捲ると人物紹介のページ。
内容はこうだ。
――登場人物――
主人公……桐山 颯
攻略対象……全員
親友……館川 麗人
―――――――
ツッコミどころ多くてどっからツッコメばいいかわかんねー。
こういうのって主人公の名前フリーだよな、てか全員てなんだよ全員って大雑把すぎる。(そこじゃないような気もするけど)
で次重要、俺まさかの親友ポジション。いや確かに親友だけどさ、そこは否定しないけど、あれだろ何故か主人公に助言を言いまくってそれがドンピシャ当たるっていうプラス大体はモテない。
はあぁーと大きな溜め息をひとつつきあの日のように机に突っ伏す。
俺モテない 、桐山モテるじゃいつもと一緒じゃんか、現実と。
……現実だろうか、本当は自分の頭が今までのものを構築しているだけなんだろうか。
「どこなんだろーなココ」
誰に言うわけでもなく独り呟いた言葉は教室の喧騒にとけて消えた。
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