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改めて
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僕がフラフラしていたのは多分高等部の人はほとんど知っている。もちろんせっちゃんも。けどそれは黒歴史アンド禁句だ。だってせっちゃんが悲しむから・・・僕が考え無しにしてきた行為で好きな子が悲しむのはとても辛い。あの時の"俺"を殺してしまいたいぐらいだ。
「次それを言ったらお前のそれ、取るよ?」
「あー・・・ごめんて、空気読むわ」
「最初からそーしろっつーの」
つい怒りで口調が崩れた。けどそれのお陰で僕がどれほど怒っているのかが分かったのか素直に謝ってきた。ほんと、面倒臭い。
「ごめんねせっちゃん、みやちゃん。」
「あ、いや・・・大丈夫、気にすんなって!」
「・・・夏樹」
「うん。ごめんね・・・今日はもう寮へ戻ろうか?久々にサボろう。みやちゃんも本当にごめん。明日もう1度謝らせて」
「大丈夫だって!・・・気にしてねーよ」
「・・・また明日ね。冬吾、お前本当にそろそろいい加減にしろよ?」
「考えとくよ」
辛そうに、苦しそうに微笑むみやちゃん。何でこんな純粋で優しい子がこんなアホを好きになったんだろう。もっといい人がいるのにね。
2人に手を振って食堂を出た。せっちゃんはさっきから下を向いている。多分今、涙を堪えているんだろう。握っている手に力が入る。
愛しい。
凄く、心からそう思う。こんなに愛しいと思える人なんてそう簡単に見つからない。こんな僕をここまで愛してくれる人なんて雪夜以外現れないだろう。幸せにしたい。大切にしたい。心配させたくない。安心させたい。・・・悲しませたくない。そう、改めて今思った。
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