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教えてくれ
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「敬語は遣わなくて構わない。楽に構えてくれ。」
「いいのか?悪いな。どうも敬語は慣れない。」
「…なぁ、類。世界を回ってると先程言っていたな。」
「あぁ。俺は東洋から来たから…結構な距離旅してきましたかね」
「東洋には、お前のように綺麗なダークブラウンの髪と目の人間が多いのか?」
「あぁ。まぁ俺は人より少しブラウンが強い方だと思うけどな。」
「そうか。初めて見たよその色は…とても綺麗だ。」
ふわりと花がほころぶように艶然と魅せる笑顔は世界を探しても彼しかいないと思う程に美しい。
「もっと近くで見せてやろうか」
「…あぁ。」
そう言ってレインの近くまで寄る。
至近距離で見るレインは宛ら芸術品だ。
どの角度で見てもその完璧なバランスが崩れることは無い。
「如何かな?」
「思ったよりも、澄んだ瞳をしている…」
そっと、俺の頬に手が触れる
「なぁ、世界を回って何を得た?俺は、広く世界を回ったことがない。だからどうにも世間知らずだ。…教えてくれないか。」
「ああ。お望みとあらば幾らでも」
まずは何を話そうか。
「天空の鏡って、知ってるか?」
「天空の、鏡?」
「ああ。何も無ければ空と海の境界線が無くなってしまうとまで言われるほどに澄んだ海があるんだ。」
「空と、海が?そんなところがあるのか…」
「晴れた日にはこの世とは思えぬほど美しい景色が見られる。どうだ?行ってみたいか?」
「ああ…行ってみたい」
「では、海が凍ってしまう前にこの事件を解決しようか」
「あぁ…そうしたいな」
「でもよ、王子様。そんな美しい景色でもきっとあなたの青には劣るだろう。」
「類…?」
「その美しい青を奪われるなど、我慢ならないな…考えたくも無い」
「私の目はそんなにも崇高なものでは無いよ。…でも、見ず知らずの奴にくれてやるつもりも毛頭ない。共に戦おう」
熱意と闘志の籠った様子のレインは強い意志を持って俺を見返す。
この人に平穏の日々を。
笑顔で何不自由なく過ごせるように
俺は誠心誠意尽くす。
剣士の誇りにかけて。
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