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狂った俺
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「今日は一緒に仕事しよっか」
なぁせがいきなり俺に話しかける
久々だなぁとかそんな呑気なことを考える俺も
ヤバイやつだなぁ
これから人殺すって言うのにな
その人の家族も人生もこの手で終わらせるのにな
俺は何考えてんだろう
感覚が麻痺した感じがする
まぁそんな細かい事考えてもただただ苦しくなるだけ
殺す人のことはただのカカシって考えよう
「今回は多い???」
「多いかなぁ、ヤクザを殺すからね結構体力いるかな」
ヤクザかぁ……めんどくせぇなぁ………
懐かしい響きだなぁ……本当にめんどくせぇなぁ
「そこの手袋とって」
なぁせが可笑しくなってから俺は普通にここが
家として、なぁせが家族として接してる
これからはこいつが家族だ
別に何の問題もない
「はいはい………ドーゾ」
「後は首の鎖も取ってよ。動けないじゃん。
逃げはしないよ……俺はなぁせの隣にずっといるから」
「この前そう言っときながら逃げようとしたじゃん」
まだ疑ってんのかこいつは
「だからもう俺はお前のモンって事だから
勘違いすんなよ……俺が逃げる逃げないの問題じゃない
お前が俺を生かすか殺すかの問題
俺が逃げるその時は………なぁせが俺を殺せよ
お前に全部やるってことはそういうことだから」
これは俺からの精一杯の表現だから聞き逃してたら
ぶち殺す
「ウル………はぁ、重いなぁこの空気、
もうちょっと楽にしようよ
折角あのクソジジイからウルを奪い取ったのに
ウルどっか行くんだから……どんだけ探したと思ってんの
だから殺すわけないでしょ……
って事で俺から離れないでよ。」
ガシャン……と俺の首の鎖が外れる
外れたとしても逃げようとも殺そうとも思わない
「そのクソジジイから奪い取った俺はなぁせの何?」
「そんなの決まってるでしょ」
親??? 仲間??? 性欲処理?? 仕事のお手伝いさん??
「恋人」
「は?」
思ってたのと違う
「え、は??? お前は俺のこと道具としか思ってないん
じゃねぇのかよ…??」
頭の中が一気にぐちゃぐちゃになる
そもそも恋人って両想いのヤツらがなるんじゃ
ないの??
「はぁ?? 道具の為だけに苦労してクソジジイから
奪い取るの??? 道具だったらクソジジイの所でも
使えたわバーーーか」
なにそれなにそれ意味わかんない
じゃあなに、俺は道具でもないってこと??
1人の男の子として考えられてるの???
「俺は……俺ってこと???」
「なに馬鹿なこといってんの…??ウルはウルでしょ」
この言葉が嬉しくて俺は頬が緩むのを抑えきれなかった
「ほら、行くよ」
今日は目隠しされなかった、信用されたってこと??
もうどっちでもいいや
今は凄く嬉しいんだから
今はなんかすごく幸せなんだから
なんて狂った男の子だろうか
この白髪で紫色の瞳をした子供の事を考えると
そう皆思うだろう
まぁそのこの隣にいる黒髪青い瞳の狂った男性
ある意味お似合いなのかもしれないな
と、 何処にいるのか、誰なのかもわからない人が
嬉しそうに歩いてるふたりを見つめながら
小さな声でそう言った
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