アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
過去
-
憐兎 ( side )
小さい頃からパソコンをいじるのは好きだった。
父さんはパソコンをよく使う仕事の人で、
母さんは普通の専業主婦だった。
父さんの仕事はパソコン、ってことだけしか覚えてない。
父さんは俺が小さい頃から大きくなるまで
俺にパソコンのいじり方を教えてくれた。
俺はパソコンをいじっていくうちに、個人情報とか
厳重にロックされ、管理されてる所にも
入れるようになっていった。
勿論それは誰にも言えなかったけれど。
秘密を知っては脳に刻み込み、消し。
刻み込み、消し。の繰り返しの日々。
その時の俺はパソコンをいじることにしか
興味が持てなくて、家族以外の人と喋ったりすることは
凄く面倒くさいと感じていたんだ。
人との関わり方もどうでもいいやと、
相手に合わせてれば何にでもなれると、
そう思っていたから、
つるんでる奴が悪口言ってたら俺は頷く。
イジメが起きてもそれをどうする訳でもなく
ただいい感じに加わってその他は見てるだけ。
そいつらが何かをやるなら俺も距離を取りながらも
真似事をする。
だから、つるんでた奴がリスカしようしても、
警察に呼び出されようしても、万引きをしても
全てがどうでもよかった。
夜の街を歩くと大人の女は誘ってきたり、
これ犯罪なんだけどなーとか思っても
「いいよ」
って、ホテルに入ったりしてた。
それもなんか、性的な興奮とか、興味とか、
なんか全然どうでも良くて、
ただ、相手が俺を求めてるならヤるだけ。
相手もイって俺もイく、それで終わり。
飽きるとか、そういうのは全然感じなくて、
これをしてれば相手は満足して、
俺はオナニーに困らない、そう思って、
また女が誘ってきたからヤった。
ヤるだけ、ただそれだけの事。
でも連絡先とか求めてくるから
「本当にうざい、ヤったからもういいでしょ?」
って言ったら、クソアマが
「最低ね。」
その時の俺は女が求めてきたからヤったのに
何故そんなことを言われないといけないのかよくわからなかったんだ。
いや、本当は今でもわからない。
その時から俺は相手に合わせるのもすべて
面倒くさくなって、
助けてと言われても、「自分でどうにかしろよ」
遊ぼうぜと言われても、「つまんない、めんどくさい」
とか色々、愛想のない返事をしてた、でも
元々皆は俺がこういうやつと分かってたの
かも知れない。そう言っても俺は一人にならなかった。
けど、いつもみんなに愛想よくしてた子は
俺とつるんでる奴らからいじめられてて、
人間ってよくわかんねぇな、とか思ってたり、
そうして日は経って、中2の夏休みに入り、
やっとまたパソコンとたっぷり向き合える時間が
来て、俺はすごく楽しかった。
楽しい、と思うことなんて最近はなくて、
本当に俺ってパソコン好きなんだなーとか
思ってたりしたら、
父さんと母さんが乗った車が交通事故にあった。
と、警察から電話がきた。
俺は信じられなくて、でも病院に行って真っ白く、
事故のせいで怪我をしてるところが凄くグロかった
父と母を見た時は、
これは現実なんだ、って、嘘じゃないんだ、って。
けどそんなに涙も出なくて心も痛くなくて、
ただ俺と話す人がいなくなった、という感じ、
親不孝だな、って思ってた
父さんと母さんが亡くなった後、父さんの弟の家族に
引き取られた。
弟の家族に引き取られてもそんなに交流はないし、
話しかける空気でもそういう俺でもないから
ひとり適当に部屋で生活した。
そこから俺は本当にパソコンしかしなくなっていった。
裏関係のことをはじめて、そういう系の人に
これを調べてくれと言われれば、お金をもらい、
その情報をそいつらに渡し、それで終わり。
ただ1人、もう顔は覚えていないが、
「こいつの情報を誰にも見せないようにしてくれ。
管理してくれ。金は毎月払う。」
と、おかしな事を言われ、
別にそんなことは良かったけど守ってくれだなんて
初めてのことで凄く守られる情報がきになった。
渡されたモノは俺と同い年の男の子。
白髪で、紫色の瞳。
イケメン。それだけしか思わなかった、いや、
それだけしか思えなくて、
そいつのことを見ても本当にただイケメンって
思うだけで、守る理由を見つけても、
「へー」だけで終わった。
その時はそれだけで終わってた、けどその1ヶ月後
俺は学校以外で久々に夜、出掛けた。
出歩いていると、凄く変な道があってそこに入った
気味が悪い細い道を歩いていると道の先に、
何か光を見つけて、そこに向かって歩いていったら
見つけたんだ。
白髪で、紫色の瞳を持つあの少年に。
そいつの下には赤い血が溜まってて、
人が倒れてた、けどそんなのどうでも良くて
白髪紫色の瞳の少年をずっと見続けてた。
暗い夜なのにそいつの所だけ白く光を出してるように
見えて、白い髪と白い肌についた赤い血は
凄く官能的だった。
その時、俺は夜に興味を持ち、
白い髪と白い肌についた赤い血が忘れられなくて
俺は元は茶色だった髪の毛を赤に染め、
元々何故か赤かった目はコンプレックスで、
黒いカラコンで隠してたのも辞めた。
自分でもそれは異常だと思った、けど
止められなかった。
そして「夜」をずっと探して探して同じ学校に入れた。
中学の時に集めたお金であの家を出て、寮に入った
そして、入学式を終え、夜を探したんだ。
見つけた時、夜は白髪でも紫色の瞳でもなく、
黒い男にしては長い髪、茶色い瞳になっていた、
けれどそんなの関係なく夜は綺麗だった、
ちょっと話があるんだけど、って言ったら
いつもより高い声で「はぁい」と言った君を
可愛らしいと思った俺は本当に重症だったんだ。
学校を抜けて俺の部屋に入れ、ソファーに座らせた
夜に俺は言った
「手を組まないか」
と
色々話して、色々決め事をした後に夜は
「いいよ、手を組もう。よろしく、憐兎」
笑顔を見せた彼はカツラもカラーコンタクトもとっていて
あの夜見た顔と凄く似てて、綺麗だった。
そして、手を握った時に俺の何かが崩れた。
夜に関わることならなんでも知りたい。
夜が見る全てのことに興味がある。
ずっとこの人のそばにいたい。
面倒臭いとかそんなこと全然思わない。
数十年間の俺をぶち壊した夜が本当に好き。
だから早く帰ってきて欲しい、どんな手を使っても。
本当に俺には夜しか、居ないんだ。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
69 / 81