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憂える胸を焦がす 9
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今、誰か付き合っている人がいるんだろうか?
聞きたくない言葉を聞いてしまうかもしれないが、それでも気になってしまうこの矛盾にどうしても抗えない。
返事を待っていると、ビールから日本酒に切り替えた和臣は口に含んだ酒を飲み干した。
「今はいないよ。少し前に別れたんだ」
少しばかり、ホッとした。
「……そっか。どうして」
「価値観の違いだな」
「そればっかじゃん変わんないな。その彼女とはどれくらい付き合ってたんだ?」
「2カ月くらいかな……。恥ずかしい話、いまだに3カ月以上付き合うのって難しいんだよね」
それを聞いて、高校の時のあの後輩とも俺が引っ越した後に別れたんだなって思ってしまった。
「ふーん。お前と価値観一致して長く続くやつっているのかな」
「だから、陽斗が女だったらって昔から言ってただろ?」
「……そんなことも言ってたな」
「いまだに思ってるよ。陽斗が女だったらソッコー告ってた!付き合ってくれるかは陽斗次第だけどな~」
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