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渉外 Ⅱ
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廊下を歩きながら このまま佐倉に
家の近くの病院で 降ろしてもらおうかと考えていた
帰りに美味しい物を食べても良いし
創の買い物に行っても良いし
兎に角少しでも気分転換になる様な事をしてあげたかった
出口が見えた所で 創にその提案をしようと
口を開きかけた時 廊下に耳障りな声が響いた
「あっれぇ⁇ なぁんだ そ〜くん居るじゃん♡」
「ひっ‼︎」
創が小さく悲鳴を上げ ガタガタと震え始めたのを見て
前から歩いて来る声の主に 視線を移した
根本が黒くなっている金髪の様な色の髪
三白眼の目を細め 嫌らしく笑う口元に
言い様のない嫌悪感を覚えた
震える創を抱き寄せると
俺の服を これでもかとばかりに握っている
「ていうか どうしちゃったの⁇
そんな 普通の服着ちゃって
そ〜くんはやっぱり あの白い服か女装か〜」
ぺらぺらと勝手に喋り続ける男は
創の全身を舐め回す様に見ていて 怒りが込み上げてくる
美しい物が汚されていく様な感覚に苛立ちが募っていった
「裸でしょ⁇」
この時 創が抱きついていなかったら
俺は この男を殴っていたと思う
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