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突然のお茶会
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やがて、辿り着いたそこはどっしりとした門構えに、やたらデカイ門番がいる。その後ろに聳え立つは魔王城。
初めて間近で見る魔王城は荘厳すぎて、スアムは開けた口が塞がらなかった。
ふと、魔王城の一番端の窓に誰かいるのが分かったけれどその影はすぐに奥へと引っ込んでしまった。
カメリアに聞こうとしたものの、気付くと門は開いていて、先を行くカメリアに急いでついて行く。門番が横目で見てくるのを耐えながら踏み出すと、ふわりと花の香りが鼻を掠めた。
嗅いだことのある匂いだ、とスアムが認識した瞬間目の前にいたはずのカメリアが消えた。
立ち止まって後ろを見るが、門があるはずなのに消えて、延々と道が続いている。上を見れば変わらず魔王城。進んでも一向に近づく気配がない。
不安になってカメリアを呼ぼうとしたスアムは自分の声が出ないことに気が付いて更に不安になり、パニックに陥った。
声を出そうと必死になるものの出る気配はない。涙が滲んだところで、ポンと頭に手が乗った。見れば呆れ顔のカメリアがいた。
「アシス。悪戯はやめろ」
「悪戯なんかしてないよ。そいつの力量を見ただけ。にしても全然使えない奴率いて何やってんの?」
「年上には敬語を使えって言われなかったか?お前の親はそんなことも教えないのか?」
悪びれる様子もなく姿を現したアシスは黒髪に黒い瞳の純血悪魔。カメリアの言葉にムッと眉を潜めたがそれ以上何も言わなかった。けれど、不服そうにアンテナのように立った二本のアホ毛を揺らしていた。
「…………貴方が珍しいことをしていましたので」
「気になるのか?なら、連れていけ。オレは魔王に用がある」
「お言葉に甘えさせてもらいます」
無表情でカメリアに告げたアシスはスアムの腕を掴み、引っ張った。
「お茶に付き合ってよ」
「えっ、あのっ」
「カメリア様の許可は貰ったから、いいよね?」
有無を言わさぬ棘のある声に、スアムはただ縮こまるしかなかった。
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