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笑う鏡
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ガキは嫌いだ。
一から教えないと理解しないし、屁理屈ばかり言う。
常識は嫌いだ。
紐解けば容易に欠点が見えてくる。
では何がいいか。
程々という加減を知って、自分の好きな様に使えばいい。
そうすれば手に入れることもないし、手放すこともない。
つまりは現状維持だ。
なにかを得るにはそれなりの対価が必要で、覚悟がいる。
オレは世の中の目を対価にして北の果てに住んだ。それを先代魔王が面倒な仕事を押し付ける代わりに世の中の目を無くしてくれた。
良いか悪いか、結論はどちらでもないという事だ。
オレにとっては、な。
魔王にとってはきっと違うのだろう。
でもお節介とは言えないくらいには有難い。
相変わらず学院では変人呼ばわりだけれど、それも教授である身だが学院に滅多に顔を出さないということを対価にしている。
さて、此度の対価は如何様に成すか。
こんな問いを自分にしなくてももう答えは決まっているというのに躊躇っているのは、少し我儘になってしまったからだろうか。
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