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使い魔
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陣へと促され、陣の真ん中に立ち、魔力を放つ。イメージが大切だとカメリア様から教わったことを忠実に守る。
魔法陣を覆うように魔力を一定に保つと、少しして魔法陣が黄緑色に光った。
ポンと音を立ててスアムの前に現れたのは全長40センチくらいの鳥だった。
「梟ですね」
「ふく……ろう?」
魔力を放つのを止めて床に降り立った梟をじっと見る。
「ホウ?ホウホウホホウ!!」
バサバサと羽を動かして何かを訴えているようだが、分からずに首を捻っていると、溜息のようなひと鳴きをして、ボンッと人型になった。
少し魔力を使い過ぎたのか、体が重いような気がする。
目の前の梟が人型になるとなかなかのイケメンで黒と茶色混じりの撫で付けられた髪に切れ長な目の茶色の瞳がスアムを射抜く。
「おいテメェ。このオレ様が契約してやるつってんのに首を傾げるたぁどういう了見だ」
紳士的な見た目に反して中身はかなりの俺様系だった。
「え!!契約終わってない!?」
「えぇ、まぁ。契約といっても簡単です。魔力を込めた指先で契約魔の肌に印を描くだけですから」
カエイの落ち着いた声にスアムも少し落ち着いた。そうなるとやはり慌てていたのだなと自分で分かる。
ムッとした顔で手のひらを出している彼の手のひらに魔力を込めた指先で思い付いた印を描いた。
「ふん。オレの名前はアデア。テメェの名は?」
「スアム・タリズ」
「スアムか……トロそうな名前だな。本当に大丈夫か?」
ジロジロ観察され、ふんと鼻で笑ったアデアは何かあったら名前を呼べ、といって消えてしまった。
あっという間の出来事に、ぽかんとする。
「お疲れ様、スアム」
カロエがポンと肩を叩いたので、カロエを見ると嬉しそうな笑顔だった。
「あ、うん。お疲れ」
「さて、では出ましょうか」
手元の資料に何かを書き込んだカエイは部屋から出ていくことを催促して、歩き出す。カロエとスアムが部屋から出るとしっかりと鍵を閉め、図書館のカウンターへと戻ってきた。
「おー、早かったな。どうだった?」
「一回で無事に終わりましたよ」
「へぇ、一回で」
カエイの報告にカイルはじろじろとスアムを見た。見られたスアムはいたたまれなく、カロエを見ると苦笑いを返してきた。
「なんていったってスアムはカメリア様のなんですから」
「へぇ……え?…………えぇ!?」
驚いたカイルは更にスアムをじろじろと見る。今にも体に穴が開きそうだ。
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