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特訓
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「そりゃあいい!!召喚の方は一回で成功したんだ。素質はある。知識の方はどうだ?」
「これからリアス様と特訓です」
「なるほど。ま、頑張れよ」
「はい。ありがとうございます」
カイルの後ろでカエイがお辞儀をしたので、カロエと共に中央図書館をあとにした。
無事、ベストルド邸に帰って来れてなんだか気が抜けそうになるが、これから特訓だ。
特訓といえばカメリア様のスパルタ的特訓で酷い目にあっているので、優しく手取り足取り教えてもらいたい。
部屋に戻って、特訓用だとカロエに渡された服に着替えて、部屋から出るとアンテナアホ毛を二本生やした悪魔のアシスに遭遇した。
「あぁ、これからリアス様に特訓してもらうんだ?まぁ、死なないように頑張りなよ」
嫌味な笑顔を向けられて、ぞわっと肌が粟立つ。
死なないように、とは。
まさか、カメリア様と同じような特訓ではあるまい。
今すぐ逃げ出したい衝動に駆られるが、後ろからカロエに声をかけられ、渋々ついていく。
ベストルド邸の敷地はかなり広い。他の邸と比べて断然広い。その広い敷地の一画にはやはり広々とした練習場があった。
「あ、リアスさ……ま!!」
カロエに続いて練習場へ入ろうとしたスアムの視界をカロエが手で覆った。
「え!!なに!?カロエ!?」
「ちょ、ちょっとこのままで!!待ってねスアム!!トルン様!!もうお時間ですよ!!」
練習場へとカロエが声を掛けると、ドタバタと小さく音がして、いいぞ、とリアスの声がした。
するりと目からカロエの手が離れ、視界に入ってきたのは、強烈な色気を漂わせたリアスだった。
「リアス様。隠しきれてません」
「まったくルーの奴は何を考えているんだ」
カロエの注意に顔を顰めたリアスが一度指を鳴らす。すると甘く香っていた色気は吹き飛び、ピリピリとした雰囲気に変わった。
「さて、特訓を始める」
その開始の声から地獄の時間が始まった。
攻撃と防御の魔法の構成を説明され、その後はひたすら実践。
隙を突かれて攻撃されると息が止まるくらいの衝撃が体を襲う。それでも尚止まることなく攻撃されるので、必死に防御壁を張る。
その繰り返しで、自然と防御壁が張れるようになった。
防御壁が張れるようになれば今度は追跡型の攻撃をされ、防御壁の横や後ろから来るようになり防御壁ではなく、自分を囲むように張る基礎の防御魔法を使えるようになった。
そうすれば今度は攻撃魔法だ。
もうすでにこの時点でスアムはボロボロであった。
なのにリアスは普通のすまし顔でスアムに攻撃をしてくるように言う。
もう無理だと言おうとした直後、練習場のドアが開いた。
「リアス様」
「リアス様ー」
まだ四、五歳くらいの黒髪の双子の子供がリアスに声をかけた。
「ラクス様がお呼びですよ」
「ですよー」
「父様が?わかった。今行く。スアム、今日はここまでだ。しっかり復習しておくように。あと攻撃パターンもいくつか考えておけ」
「…………はい」
双子と一緒に練習場を出て行ったのを見送り、スアムはうつ伏せに倒れた。
「スアム!?」
「なにこれ……スパルタ……」
「リアス様の訓練はスパルタで有名だからね……」
「だから、皆頑張ってしか言わなかったんだ……」
「でもリアス様に訓練された者達は皆優秀でそれなりの地位をもらってるんだよ!!」
「カロエは?」
「僕もリアス様から教わった」
「あぁ、そぅ……」
これに耐えるなんてすごい奴だとカロエを見ながら思った。
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