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お茶会
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嫌な予感しかしなくて、これ以上飲んでもいいのか悩んでいるとカロエにくすくす笑われた。
「なに?」
「スアム変な顔してる。考え込む時顔に気をつけた方がいいよ。丸わかりだから」
考えていたことが顔に出ていたと知り、恥ずかしさに両頬を揉んだ。
「そうだなぁ……。スアムにとってのリアス様ってどんな感じ?」
「鬼」
「アハハ ……まぁ、皆一度は言うけどね」
チョコレートケーキを一口食べたカロエがより一層頬を緩ませる。
「リアス様は訓練の時だけ鬼だね。後は普通の御方だよ。短気でもないし、幅広い視野を持ってるし。困ってる人がいたら助けるし。今日みたいにお茶をくれたり、オススメの服屋を紹介してくれたり。気が利くっていうのかな。取り敢えずそんな人。だからあんまり嫌いにならないでね」
「…………別に嫌いなわけじゃない」
「うん。あ、そうだ。トルン様と一緒にいる時は邪魔しないであげてね」
「?……うん」
レアチーズケーキを一口食べると、ものすごく美味しくてついつい頬が緩む。
「美味しいでしょ?ストレお兄様から頂いたんだ」
「お兄さん来てたの?」
「ううん。ケーキと手紙だけ届いたんだ。お兄様方は忙しいから」
「そっか」
「そうだ!!一緒にドレス作りに行こう!!」
「……………………は?」
ドレスとは女性がパーティーなどで着る衣装のこと。女性でもなければ相手もいない自分がなぜドレスを作りに行かなければならないのだろうか。
「今度のパーティー、スアムも参加するよね!?」
「え、聞いてないけど」
「うん。言ってないもん」
「え、決定事項なの?」
「うん。今決定した」
「じゃあ、ドレスを作る理由は?」
「うん?着るためだよ?」
「え!!ドレス着るなんて嫌だよ??」
「えっ?………………あぁ、スアムは……うん。そっか。大丈夫。スアムに似合わないドレスなんて作らないから」
「そういう問題じゃない」
「ドレスって言っても今は一概にスカート型ばかりじゃないよ。ちゃんとタキシード風もあるんだ。だってタキシード着た二人で踊ってても見栄えが悪いでしょう?たとえば、リハル様とラクス様がタキシード着て踊ってたらなんだか堅苦しいじゃない?だからラクス様の方をドレスにするんだよ。そうするといくらか違う」
「男の僕がドレス着たら変だって!!ラクス様は可愛いからいいけど!!」
「もう……似合わないドレスは作らないって言ったじゃん」
「そもそもお金ないし」
「大丈夫。僕からのプレゼントだから」
「そんな、悪いよ」
「えええ。友情の証なのに」
「友情……」
「うん。だから、お茶の時間終わったら行こうね」
「う、うん……」
結局断ることができず、カロエと一緒に見知らぬ邸へとやって来た。
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