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君の星
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少し落ち込むスアムを見て、イジメ過ぎたと内心反省しているとポンと梟が出てきてホーホー喚き出した。
「なんだコイツ」
「あ、わぁ!!ちょ、何出てきてんだ!?アデア!!」
ボンと人形になったアデアがスアムを睨む。
「うるせぇ。テメェが落ち込んでんの分かってて嫌味言うなんてコイツの頭の方がおかしいだろが。テメェもテメェでいつもいつもコイツのことでショボショボしやがってよ。たまには胸張って言いたいこと言いやがれ」
パチンと指を鳴らしたカメリアは後ろに顕現したタキアに命令を下した。
「コイツを調教してこい」
「御意」
喚くアデアを後ろから羽交い締めにしたタキアはカメリアに一礼してその場を去った。
「た、タキアさん!?あ、アデア……」
「大丈夫だろ。帰ってくる頃にはきっと大人しくなってる」
「え……」
「それより……お前オレから離れんじゃねーぞ」
「え?あ……はい……」
「随分ですね、カメリア様」
ワイングラスを片手に、フローラ様と同じく青い髪に朱色の瞳をした御方が現れた。人形のような美貌に完璧な笑み。現れたら一度でも振り返ってしまうような妖艶さと存在感を放っている。
「お前も相変わらずだな」
「おかげさまで」
「ふふ。そちらの可愛らしい方に挨拶をしても宜しいでしょうか?」
「ダメだ。お前とコイツを知り合いにさせるわけにはいかない」
「おや、過保護な言い分ですね」
「過保護じゃない。妥当だ」
「貴方が選択肢を狭めることになっても?」
「コイツはオレのだからな」
「尊重は大事ですよ。それに、私と関わって得することも多いかと」
「ダメだ」
「そこまで拒否する理由を伺っても?」
「そこまで食いつく理由を伺いたいぐらいだが?」
「質問を質問で返さないで頂きたいですね」
「そもそもお前の下品な噂は枚挙に暇がない」
「噂は噂。真実でないものも混じっておりますが」
「真実であるものも混じっているんだろう。それはそれで問題だ。さて、そちらの理由を伺っても?」
「可愛らしい人を見かけたら声をかけるのが礼儀でしょう?」
「断固拒否する」
バチバチと二人の間に火花が散っていて、どうすることも出来ない。
「サクア、何やってるんだ」
「父様……」
黒髪に黒い瞳を持った悪魔でこの邸の持ち主であるカロニカ・テイリッシュがやって来た。
「お久しぶりです、カメリア様。お元気でしたか?」
「ええ、おかげさまで」
「息子が迷惑をおかけしております」
「……父様、私はべつに」
「ええ、迷惑かけられてます」
サクアの台詞を消したカメリアはニッコリと笑ってスアムの手を握り、失礼、と一礼してその場を去る。
振り返ると、サクアと呼ばれた人物は綺麗に笑って小さく手を振ってくれた。それに、浅くお辞儀をしてカメリア様の手を握り返すと一度こちらを振り向いたカメリア様は嬉しそうに笑って軽食のところまで来た。
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