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糸の先
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カメリア様に連れられてパーティー会場へと戻ってくるとカロエ達がサロンから戻ってきていた。
「カメリア様、お久しぶりです」
「ああ」
「スアムいいことあった?」
「えっ」
「すごくいい笑顔」
「あ、わ……わぁ……そ、そういうことは言わないで……」
きっと赤面だろう頬を押さえてカロエを見ると、悪戯っ子のように笑ったカロエが耳元で囁いた。
「カメリア様とすごくお似合い」
囁いて去っていってしまったカロエの背を見送ると、つつっと背中を撫でられてビクリと肩が跳ねた。
「うむ……なかなか……」
「か、カメリア様……あ、あまり……触らないで……下さい」
「普通にしか触ってないだろう?そんなに感じやすくて大丈夫なのか?」
「カメリア様の触り方がエロいんです!」
逃げるようにカメリア様に背を向けて歩き出し、廊下に出ると誰も居なくてホッと息をついた。
会えるのは嬉しいが、会った時の衝撃がすごいと身が持たなくなるようだ。
火照る顔が冷めるまで廊下に居ようと歩いていると、部屋のドアが少し開いているのを見つけた。耳を澄ますも声はない。
押し入ると、普通の部屋だった。窓辺に近付くと噴水が綺麗なロータリーが、オレンジ色に照らされており、賑やかな街の様子も伺えた。
どこか別の世界に連れていかれたような感覚も嫌いではない。窓から外を心をまっさらにして眺めていると、廊下が控えめに騒がしくなった。
耳を立てるとどうやらリアス様とトルン様のようだった。
そして問題なのは、その二人がこちらへ向かって来るという事だ。そもそもこの部屋は入っていい部屋だったのか分からない。息を殺して成り行きを見守っていると、ちょうどこの部屋の前で足が止まった。
部屋からはもう出られない。仕方なく奥の寝室の方へ行き気配を殺していると二人が小さく言い争いをしながら部屋に入ってきた。
「だから、リースがあのエロジジイと話してるから………」
「仕事の話だし、エロジジイでもない。ミルスタ殿は事務統括を成されているんだ。お前も知っているだろ?敬意を払う対象だぞ」
「リースを見る視線がエロジジイだった」
「普通だ」
「普通じゃない」
「見解の相違。埒が明かない」
「リースが襲われてからじゃ嫌だ」
「オレが襲われるわけがない」
「そんなの、分からないじゃないか」
第一部隊のリアス様が襲われる所なんて想像できない。逆襲にあって終わるのがオチだと思うのだが。トルン様は何が不安なのだろうか。
「だってリースは…………すごく感じやすいのに……」
「……………………。はぁ……ルー……いい加減に……」
ガタンと音がして何事かと寝室のカーテンの隙間から覗くと、ソファーに寝かされたリアス様の上にトルン様が覆いかぶさっていた。
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