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大切なもの
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「僕は…………」
「お前が来たのはきっと必然で、止めていたオレの時間を動かせるのはお前以外にいないんだよ」
優しい声で言ってくれる。でも、顔が見えない。
「カメリア様」
「なんだ」
「僕を見て下さい」
「はぁ……こういう時は黙って抱きしめるところだろう?」
目元を少し拭ったのを後ろから見ているスアムは確信して、言われた通り後ろから抱きしめた。
「泣かないで下さい」
「泣いてない」
「そういうことにしておきます」
「だからそれは言わなくていいことだろうが」
「ふふ。僕はカメリア様から目をそらさないですよ」
「ほぉ……」
くるりとこちらを向いたカメリア様が優しく口付けてくれた。
やっぱり目が少し赤いので泣いていたのだろう。
離れようとするカメリア様の首の後ろに腕を回して引き寄せ、不慣れながらに口付けた。驚いた顔をしたカメリア様がふっと笑って何度も何度も口付けてくれて、それに対応していると腰周りが緩んだ気がしてカメリア様を見ると意地悪い顔をしていた。
「カメリア……様?」
今度は明確にシュルっと音がしてスアムのドレスのリボンのひとつだったそれを見せつけるかのようにカメリアは手に取った生地に口付けた。
赤面したスアムはカメリアから離れようとするが強く抱きしめられた。
「ああ、なんでこんなエロいドレス着てきたのか……」
「え、エロくないです。綺麗です」
「リフラも相変わらずだな」
抱き上げられ、スタスタと奥の部屋へと連れてかれる。
窓の外は暗く、明かりが見えない。本当にカメリア様の邸なのだ。
部屋のベッドへ降ろされ、そのまま押し倒された。
「か、カメリア様……」
「そんな顔をするな。本当に食べたくなる……」
数度口付けられ、カメリア様の手が脚を撫で上げてくる。
そろそろとした動きに戸惑い喘ぐ。
「なんだ、タキシード型なのか」
スアムが着ているのはタキシード型なのでショートパンツを履いている。
むにっとショートパンツの上から尻を揉まれ、ビクッと体が跳ねる。
「リフラ様が…………カメリア様はこっちの方がいいだろうと……僕は何もっ…………んっ……」
「ふぅん……まぁ……脱がせるのも一興だしな」
「カメリア様っ……」
スっと手が動いたのでぎゅっと身を固くするが、予想外にカメリア様が離れていった。
「ぇ…………」
「…………ダメだな。止まらなくなりそうだ」
苦笑いをしたカメリア様がパチンと指を鳴らす。
ベッドの横へ顕現したタキアは白銀の瞳で主人であるカメリアを見た。
「使い魔の方はどうだ?」
「我が強く、些か難航しておりますが頭は良い方なので沈黙は守れるかと」
「もう少しか…………まだ頼む」
「御意」
「それと、スアムのリボンを綺麗に直してくれ」
「御意」
ベッドから降りたスアムの後ろに回ったタキアは手馴れた様子でドレスのリボンを結んでいく。
「上手ですね、タキアさん」
「ええ、まあ。…………主人の嗜好に理解あるのも使い魔の役目だと思っておりますので」
「タキア、余計なことは言うなよ」
釘を刺されたタキアは眉を八の字にして、笑って口を閉じた。
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