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パーティーから数週間。リアス様から稽古の休みを言い渡された。代わりに買い物に付き合ってくれとのこと。
でもどうしようか。リアス様の隣に立てる服なんてカメリア様に貰った服しかない。仕方ないのでそれを着て、リアス様の部屋へ行くとトルン様と言い合っていた。なんだかこれも見慣れた風景になりつつあるので特に口出しもしない。
「だから大丈夫だっての!」
「でもやっぱり騎士は必要だろ?」
「いらない。一人でなんとかできる。時間だからじゃあな!」
部屋から出てきたリアス様が僕を見つけると、バツの悪そうな顔をしてから、はにかんで、行こうかと声をかけてくれた。
「はいっ」
私服姿もカッコよすぎて斜め後ろを歩くも、隣に来るまで待ってくれるので結局隣に並んだ。
久々にやってきた街は活気に溢れていた。雑然としている様でちゃんと店ごとに見やすくなっている。というのも貴族領の範囲だから一つ一つの店が広い。
「今日は何を?」
「トルンの誕生日のプレゼント選び」
「…………てことはリアス様も誕生日ですね」
「まあ、屋敷のヤツらに聞いても構わないんだが…………たまにはお前みたいな外の色も取り入れないとな。あと少し話したい」
「僕の意見が役に立つかどうかわかりませんが協力させていただきます」
プレゼントといえば花だが、リアスは首を振る。
「服はリチアが。花はフローラが。魔法道具は兄弟が。毎年やるからネタがなくなる」
「トルン様はリアス様が何をしても嬉しがるような気がしますが」
「それもそうだが……オレが納得しない」
「あ、はは……」
確かに。特別な日はすごく特別にしたい。好きな人なら尚更だ。
雑貨屋に入ってきて、良さそうな物を探す。
「お揃いのティーカップなんてどうですか?」
前にカロエとお茶をした時にリアス様から茶葉を頂いたとカロエが嬉しそうにしていたのを思い出し提案してみると、最初にやったと言われてしまった。
そうか……最初に……。
「というか、お揃いのってやつはだいたいある。個々に使える物がいいと思うんだが……」
トルン様といえば、甘めの顔にとろりとした声。雰囲気はさっぱりとしていて隙がない。リアス様至上主義(兄弟夫夫だから当たり前)。紫色の瞳にリアス様よりも少し長い肩までの黒髪で少し癖っ毛。リアス様のようなどこか派手目な服よりはトルン様自身を強調するような服の方が似合う。
「小物の方が身に付けやすいでしょうね」
「小物か……っ……」
「魔法道具は御兄弟がプレゼントするんですよね。だったらファッション系の小物の方がいいですね。あとは日常で使えるものとか……」
「………………。」
「どうかしました?」
「……いや、なんでもない。ファッション系ならリフラ伯父様の店に行くか」
雑貨屋を出てリフラ様の店へと向かう。
黒と吸い込まれそうなほど鮮やかな青を基調とした店内にはブランドを掲げるに恥ずかしくないほど着てみたいという感情をそそる服達が陳列していた。
「今日はあまり時間がなさそうだからな…………早めに探すか」
「わかりました」
店員さんにあれこれ聞いたり、リアス様が良いと思った服や装飾をチョイスしたりと結構時間が経ってしまったのだが、時間は大丈夫なのだろうかとリアス様を見ると、明らかに具合が悪そうな顔をしていた。
「リアス様……大丈夫ですか?」
「っはぁ……大丈夫だ……まだ……なんとか……」
僕の問いが店員にも聞こえたようで、大丈夫ですか?と聞いてきた。リアス様は大丈夫だといった後に店員さんにこれを下さいと告げた。
「ストール?」
「そういえば、アイツはこういうの持ってなかったと、思ってな……」
グレーと黒の縦ストライプのストールだ。端に透き通った小紫色のガラス玉がついたディムグレーのタッセルがポイントで、確かにトルン様によく似合う。
会計を済ました後、上級悪魔の印で屋敷に荷物を送ったあと、お茶でもしようと店を出て歩き出した瞬間リアス様のぐらりと傾いた。
「リアス様!!」
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