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混雑
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傾く体を受け止めるに間に合わないと感じた時、スっとリアス様を誰かが支えてくれた。
「ダメじゃないかリース。無理は禁物だよ」
「トルン様…………」
リアス様だけに注がれる甘い声。注がれている本人は意識があるのかどうか、呼吸が荒く、体に力がぎりぎりで入ってる状態と見受ける。
「ごめんね、リースがこんなんじゃ続行は無理だ」
「っはぁ、っはぁ……おい、ルー……」
「何かな」
「後で……覚えとけよ……」
「もちろんリースのことなら全部覚えておくけど……」
そうじゃないと言いたげに舌打ちをしたリアス様はトルン様を突き放して、裏路地の方へ向かう。
「あ、リアス様っ」
キョトンとした顔をしたトルン様は楽しげにリアス様の後について行く。僕も心配でついていくと、リアス様は座り込んでいた。
表通りからは見えない裏路地。店の裏口だったり、表に出れないお店の入口だったり。ここは貴族領だからこざっぱりとして綺麗だが、平民街の裏路地は治安が悪すぎて大切な用事以外には立ち入るなと口酸っぱく言われていた。
「ほら、リース。屋敷に戻らないと……」
ぐいっとトルン様がリアス様の腕を引っ張るが、リアス様はその手を跳ね除けた。リアス様の明確な拒絶を初めて見た瞬間だった。
「お前……なにしたか……分かってるのか?」
「そりゃあ、もちろん」
リアス様のキツい目が更にキツくなる。
「オレは……スアムとお茶を……すると言った」
「分かってるよ。でも二人きりで街でお茶するなんてオレは許可してない」
「お前の許可なんか……いらない……。オレはオレの好きなように……っ……っはぁ……っ……」
「でも、もう限界だろ?」
ぐったりとトルン様にもたれかかったリアス様の下衣へと手を突っ込んだトルン様はずるりと何かを引き出した。
ぬるぬるうねうね動いている何か。
「ひっ……」
「見るの初めて?まぁ見た通りぬるぬるしててうねうねしてるやつだけど……あ、生きてるよそれ。魔獣系」
これが魔獣!?半透明でぬるぬるしてる触手が何かを探すように蠢いている。
よくよく観察しているとトルン様がパチンと指を鳴らして消してしまった。
「リース、辛いでしょ。抜いた方が早く楽になれる」
「っはぁ……っはぁ……や、めろっ触んなっ」
トルン様の手が服の上からリアス様の体をまさぐっている。そして僕はただ立ち尽くすのみ。というかいろんなことが衝撃的すぎて頭が追いついていないような気がする。
「っつ……あっ…………」
ぶわっと色香が放たれて、じわじわとこちらまで煽られるようで顔が熱くなってくる。
「やめろっ……ルーっ…………やめっあっ……ふ、んんんっ」
くちゅくちゅと音が聞こえてきて、これはもしやと視線が勝手に二人へ向かうが、トルン様の背中しか見えない。リアス様はトルン様の首元へ頭を擦り付けてやめろと何度も告げるがトルン様は受け付けない。
「あっ……まっ……ルーっ……だ、めっ……あ、っ!!!」
びくびくっとリアス様の体が震え、トルン様は嬉しそうにリアス様の名前を呼ぶ。
「リース……早く屋敷に帰ろう……」
「………………か。放せ馬鹿」
低く静かなリアス様の声に怒りが滲んでいるのがわかる。
「リー……」
「オレがいいって言うまで触れるな」
水魔法で全身を洗い、体から髪や服まで綺麗になるとリアス様は立ち上がって歩き出し、僕の方へ近づいてくる。
「すまない。みっともないところを見せてしまったな。まったくトルンには困ったもんだ」
「あの……トルン様は……」
「状況整理。終われば邸に帰るだろ」
なぜかトルン様がぴくりと動かない。
「行くぞスアム」
「っリース!!」
振り返ったトルン様はとても戸惑ったような不安気な顔をしていて、足が止まりそうになったが、リアス様が僕の腕を掴んで引き寄せた。
「行くぞ」
足が進み街をしばらく歩き、喫茶店へと入った。
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